福島原発:韓国で塩やワカメの買い占め騒動
一部ネットユーザーが不安をあおる
日本の福島第一原子力発電所から出た放射性物質が韓半島(朝鮮半島)の南側を通り、7日に韓国
国内に一部が流入する可能性がある、と韓国原子力安全技術院(KINS)や気象庁などが発表するや、
市民やネットユーザーたちが「不安だ」という反応を見せている。
気象庁が「流入する放射性物質は、人体にほとんど影響を与えない微々たる量だ」としているが、
多くの市民は「韓国は放射能の影響圏ではないと言っていたではないか」「もう信じられない」
という反応だ。
インターネット上には「放射能に効果的」とする不確実な情報で消費者を惑わせる商売も登場
した。ポータルサイト・ネイバーの育児サイト「ママ・アンド・アンファン」には4日「○○○
レインコートは放射能の雨にも問題ない」という製品の宣伝が書き込まれた。一部のブログには
「放射能を洗い流すゼオライトを含有した特効せっけんがある」という広告も書き込まれていた。
■塩、ワカメなど買い占め
市民の不安感は、マスクやワカメなどの海藻類の販売量増加に端的に表れている。ロッテ
マートによると、先月11日から今月3日までの売り上げが、昨年同期比で塩は75.1%、ワカメは
63.2%、昆布は72.9%、マスクは56.3%増加したという。
Eマートは「ワカメは115.1%、昆布は97.8%、塩は130.1%販売量が急増した」と説明した。
気象庁のキム・スンベ・スポークスマンは「放射能の雨にぬれても、人体に与える影響は
ほとんどない。ノルウェー大気研究所の結果も誇張されたもの」と話した。食品医薬品安全庁
(食薬庁)のアン・マンホ副スポークスマンは「海藻類に含まれるヨードは含有量が少ないため、
放射能治療には役に立たない」と話した。食薬庁は「10日間、毎日ワカメスープを200杯ずつ
飲んで初めて、効果がある程度だ」と説明した。
■「放射能の雨に気をつけるべき」 ネットユーザーが敏感な反応
4日に気象庁などが発表した内容は、ツイッターなどオンラインを通じて急速に広まり、
インターネット上には「放射能の雨予防法」として「防水処理された登山用の服などを着る」
「家の窓や隙間をふさぐ」といった文章も紹介されている。
10歳の娘がいるイム・チェソンさん(45)は「7日には傘にレインコート、マスク、帽子で
子どもたちをしっかり覆って送り出すつもりだ。人体への影響がほとんどないというが、
免疫力が弱い子どもたちにもしものことがあるといけないから」と話した。
同好会や企業は、イベントなどの日程を変更している。小型車マティスの同好会「M300」の
リーダー、シンさん(32)は「今週、慶尚南道咸安に会員と家族40人ほどで出掛ける予定
だったが、雨が降ると聞いて中止した」と話した。
ソウル市城北区にある八道刺し身店の社長キム・ワンスさん(50)は「韓国で販売されて
いる刺し身は、日本の放射能危険地域と関係がないのに、客はすでに(刺し身を)敬遠して
いるようだ。売り上げの損失は大きい」と話した。
金城敏(キム・ソンミン)記者
韓慶珍(ハン・キョンジン)記者
http://www.chosunonline.com/news/20110405000032