【上海=河崎真澄】妻が4人(うち1人はすでに死去)、子供が17人いるというマカオのカジノ王、
スタンレー・ホー氏(89)が“財産争い”にまみれている。
第2、第3夫人らが、カジノ持ち株会社の時価総額およそ31億ドル(約2540億円)分の株式を、
ホー氏同意の上で譲渡されたと公表したが、ホー氏側は「略奪された」として27日、株式の返還を
求める訴えを香港の裁判所に起こした。
ホー氏はカジノ運営権を2002年まで数十年にわたって独占するなどマカオで長年君臨してきたが、
09年夏に脳の疾患で倒れ、健康問題を抱えている。華僑向け通信社の中国新聞社は同日、
株式譲渡問題に関する発言が二転三転するなど不可解な点も多く、高齢なホー氏の判断能力が
低下しているようだと伝えた。
第2夫人らが正式な手続きを経て譲渡されたと主張しているのは、マカオのカジノ最大手を傘下に
もつ香港の上場会社ランスフォードの株式のうち、ホー氏の持ち分である約32%。
第1夫人は04年に死去しているが、その娘ら他の親族も「(第2夫人らへの資産分配は)父の意思
ではない」などとして第2夫人らの主張に反発しており、ホー氏の“遺産”をめぐる骨肉の争いは
今後、一段とエスカレートしそうだ。
産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110127/chn11012719110066-n1.htm