★ラナリット元第1首相が政界復帰 カンボジア
カンボジア和平後の総選挙で勝利し、第1首相を務めたノロドム・ラナリット氏(67)が先月、
野党の党首に就任した。2年前に事実上引退し、国王顧問に就いていただけに、政界復帰に驚きが広がる。
このほど朝日新聞のインタビューで「王室支持者を統一し、フン・セン首相と協力して国造りに貢献したい」
と訴えた。
ラナリット氏はシアヌーク前国王の次男で、現シハモニ国王の異母兄。
昨年12月11日、野党・愛国党が党名をノロドム・ラナリット党に戻したのを受け、党首に就いた。
同党は2006年、ラナリット氏が同じ王党派のフンシンペック党の党首を解任された際に
設立された分派政党。現在、両党は下院(定数123)に2議席ずつを持つ。
ラナリット氏は政界復帰の理由として
(1)支持者の要望(2)司法の偏りや汚職の蔓延(まんえん)(3)分裂した王党派の再結集
――などを挙げた。そのうえでフンシンペックとラナリット両党が新党に合流することを提案。
「野党では変化は起こせない」と述べ、与党・人民党(90議席)との連立政権入りを目指すとした。
しかし、フンシンペック党幹事長のニャク・ブンチャイ副首相は朝日新聞に対し、
「王党派の再結集は歓迎するが、ラナリット氏は政治的に失敗しており、
政治に戻るべきではないと思う」と、提案を事実上拒む考えを示した。
ラナリット氏の復帰については、12年の地方選、13年の総選挙を視野に
「王党派支持者を取り込みたいフン・セン首相の意向が働いている可能性がある」
(外交筋)との見方が出ている。
フン・セン氏はこうした見方を否定している。しかしラナリット氏は
「フン・セン氏からの働きかけはない」とする一方で
「フン・セン氏から政界復帰の承諾を得た」と事前の接触を認めた。(プノンペン=藤谷健)
ソース 朝日新聞 2011年1月20日22時9分
http://www.asahi.com/international/update/0120/TKY201101200550.html