【ワシントン共同=渡辺靖仁】オバマ米大統領は19日、中国の胡錦濤国家主席と会談後に
ホワイトハウスで共同記者会見し、北朝鮮が「さらなる挑発行為を控えなければならない」との
認識で一致したと述べ、米中が北朝鮮の暴走を抑え、北東アジアの平和と安定に向けて関係
国と共に努力する方針を強調した。米中共同声明で両国は、韓国と北朝鮮が「誠実で建設的
な対話」を始めることが重要だと指摘した。
オバマ氏は中国の人権状況に懸念を表明。米政府当局者はオバマ氏が会談で、ノーベル平
和賞受賞者である劉暁波りゅう・ぎょうは氏について言及したと述べ、釈放を求めたことを示唆し
た。胡氏は会見で「中国は常に人権擁護に努めてきた」と反論し、人権をめぐる溝は埋まらなか
った。オバマ氏は人民元が過小評価されていると指摘、胡氏に改革の加速を要求した。
両首脳が南北対話を糸口に事態打開を図る方針で一致したことで、対話再開の条件整備に向
け、今後各国間の調整が活発化する可能性がある。
共同声明で両国は、北朝鮮によるウラン濃縮活動に懸念を示し、早期の6カ国協議再開につな
がる具体的な措置の必要性を明記した。
人権問題では、米側が「外交政策の重要な一部」と指摘したのに対し、中国側は「いかなる国家
の内政にも干渉するべきではない」と反発した。
会見で胡氏は、中国の人権状況について「やらなければならないことが多い」と課題が残ることを
認めながらも「大きな進歩があったと世界から認められている」と強調。人権については各国の事情
を考慮する必要があると指摘し「内政干渉をしない原則」で対話に応じる姿勢を示した。両国は今年
5月までの人権対話開催で合意した。
両首脳は人権などで食い違いがあっても、世界経済やテロ対策、核拡散防止などをめぐる米中の
協力は不可欠と表明。オバマ氏は中国の「平和的な台頭」は世界全体に良いことだと歓迎した。
共同声明で両国は、核なき世界の実現へ向けて尽力し「包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期
発効を支持する」ことで一致。中国はバイデン副大統領の年内訪中を、米国はそれに続く習近平
国家副主席の訪米をそれぞれ呼び掛けた。
ソース 中国新聞 '11/1/20
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201101200173.html