大企業の投資計画、中小企業は冷めた見方
京畿道の始華工業団地にある鋳物メーカーの代表Cさんは「大企業が今年の投資計画を増やし、
中小企業の仕事も増えればよいが、大した期待はしていない」と話した。Cさんは「大企業の
投資が主に先端分野と高価な設備に集中しており、中小企業はアプローチしにくい」と漏らした。
大企業は昨年の世界景気回復で投資を増やし、今年も過去最大規模の投資を計画している。
しかし、こうした投資による恩恵は国内の産業現場に十分には及んでいない。
全国経済人連合会(全経連)が売上高上位600社を対象に行った調査で、昨年の国内での
設備投資規模は103兆1910億ウォン(約7兆6400億円)となり、09年の88兆2475億ウォン
(約6兆5400億円)に比べ16.9%増えた。
大企業のこうした投資が中小企業の景気に直結するわけではない。生産ラインに必要な
設備は海外から導入するケースが多いためだ。また、投資による恩恵もグループ系列企業に
集中することが多く、中小企業が投資効果を感じられないとの指摘もある。産業研究院に
よると、全国の中小製造業(従業員5人以上)12万社のうち、大企業と少しでも取引がある
企業は20%台にすぎない。
産業研究院のチュ・ヒョン中小ベンチャー企業研究室長は「大企業はIT、再生可能
エネルギーなど未来の成長原動力と見なす分野に多額の投資を行うが、こうした分野に
国内の中小企業が参加するのは限界がある」と指摘した。
企業が年初に発表する投資計画がその通りに実行されるかを疑問視する人もいる。
大企業は年末の事業報告書で投資規模を公表するが、大半は国内外の投資額を合計した
ものであり、実際に国内にどれだけ投資されたかは把握しにくい。
サムスン経済研究所のムン・ジウォン首席研究員は「大企業の投資が設備の自動化などの
設備投資や研究開発に集中しており、人々が肌で感じる投資拡大効果は限られている。
設備投資が行われても、目に見える効果が表れるまでには通常タイムラグがある」と指摘した。
金承範(キム・スンボム)記者
http://www.chosunonline.com/news/20110106000031