【日中】 技術は人類の共有財産。日本企業は不況で技術を使いこなせていない、元気な中国で生かし続けたらいい [12/10]

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1夏髪φ ★
★【専欄コラム】日中でもめごとの種も…技術は人類の共有財産

 多様化社会において技術に関する認識はさまざまである。
元来、技術とはわれわれの生活を向上させ、社会を発展させるものだ。
 目に見えて生活を向上させ、社会発展させる力を持つ技術であるがゆえに、
金銭が絡み、日本と中国の間ではしばしばもめごとの種となる。
 技術の流出に多くの日本人は心配する。
技術が流出すると、国益が損なわれる、日本が損をすると考えてしまうからだ。
ある意味では正しい考えだが、大きな目で見ると、狭い考えでしかない。

 では、広い視野で日本技術の流出をとらえると、どうなるか。

 それは、技術を人類の共有財産と考えるべきなのだ。
日本の技術が中国や外国へと流出し、後世に受け継がれていくことは悪いことではない。
 たとえ日本以外の国であっても、技術が活用されるならば、喜ばしいことではないだろうか。
 美術品を見るとよく分かる。実は、中国の古い美術品がたくさん日本にある。
もし仮にこれらの美術品が中国にあったとしよう。次々と変わる国家体制の下で壊され、
今ごろは影も形もない。が、日本にあったからこそ、今なお見ることができる。

 こう考えると、美術品の海外流出と同様、技術の流出もよいことだ。
不況下にあって日本企業が技術を使いこなせていない。
 技術も使わないと忘れ、ついにはなくなってしまう。
ならば、元気な中国で生かし続けてもよいのではないか。

 日本には多くの技術がある。
単なる技術流出ではなく、ビジネスとして技術を売ることに力を入れるのもいい。
 たとえば、上海万博で多くの人の目を引いた無接触充電装置。
日本人が発明したこの装置に中国人は驚き、感動した。
日本ではすぐに実用化できないが、勢いのある中国ではできる。
つまり、優れた製品は中国で高く売れるのだ。

 人間は働けば働くほど、能力が発揮される。技術は使えば使うほど、磨きがかかる。
独楽(こま)と同じで回っていればしっかり立つが、勢いを失うと倒れてしまう。
これを忘れてはならない。(剣豪集団会長・鄭剣豪)

そーす サンケイビズ 2010.12.10 05:00
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/101210/mcb1012100502007-n1.htm