【朝鮮日報】核問題:「中国が容認し続けるなら韓国も背水の陣を」[11/23]

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1はらぺこφ ★
北朝鮮がウラン濃縮施設を公開したことに関連し、韓国政府は22日、韓米中日ロ5カ国の協調を強化する
ことの重要性を強調した。北朝鮮を圧迫するためには、米国や中国など主要国の一致した行動が必要との
認識を踏まえ、韓国政府が調整に乗り出したというわけだ。

先週日本を訪問した魏聖洛(ウィ・ソンラク)韓半島(朝鮮半島)平和交渉本部長は22日午前、米国務省
のスティーブン・ボスワース対北政策特別代表と会談した後、同日午後には中国へ向かい、武大偉・韓
半島事務特別代表と会談した。これも、米・中・日に統一行動を求めるためだ。また、「北朝鮮はソウル
を経由せずに、ワシントンに行くことはできない」(韓国政府の当局者)という原則を再確認するという
目的もあった。

キム・ソンハン高麗大教授は、「仮に、限られた形で米朝接触が行われたとしても、平和協定のような
危険な政治的議論は困難だ。韓国政府と事前調整を行うことになるだろう」と語った。

北朝鮮がプルトニウムに続き、高濃縮ウラン生産施設の存在まで明らかにしたことを受け、韓国政府は
核施設の閉鎖・無能力化など、段階的に補償を行ってきた従来のやり方に代わって、一括妥結を目指す
「グランドバーゲン」構想に米国や中国が積極的に乗り出す環境が整った、という期待を抱いている。

金星煥(キム・ソンファン)外交通商部長官はこの日、「こうした状況こそが、まさしく韓国がグランド
バーゲンを提示した理由」と語った。しかし北朝鮮は、プルトニウムについては6カ国協議で、核兵器
については軍縮交渉で、高濃縮ウランについては米国との直接対話で、それぞれ取引するという戦略を
持っている。

韓国政府の当局者は、「グランドバーゲンを成功させるためには、影響力を行使できる中国が動かなけ
ればならないが、中国を動かす手段が問題だ」と語った。

中国を動かすには、北朝鮮の核問題が韓国や日本の「核ドミノ」現象へと拡散しかねないという危機感
を、中国に持たせなければならない、という声が一部で挙がっている。

中国が北朝鮮の核について最もデリケートに感じる部分は、韓国と日本から「わが国も自衛力を備える」
という主張が出ることだ。尹徳敏(ユン・ドクミン)外交安保研究院教授は、「中国と北朝鮮に大きな
危機感を抱かせるためには、外交的な“排水の陣”を敷かなければならない」と語った。北朝鮮の核が
現実のものとなる状況下、北朝鮮の核の脅威に直接さらされている韓国と日本の非政府部門で、戦術核
兵器の再配備を含む自衛力確保を主張し、政府はこれを外交的なカードとして活用しなければならない
というわけだ。

キム・ヨンス西江大教授は、「在韓・在日米軍を保護するという名分があれば、米国国内の世論も、戦術
核兵器の再配備には反対しないだろう。北朝鮮の核保有で、韓半島(朝鮮半島)非核化の原則は既に意味
がなくなった」と語った。李明博(イ・ミョンバク)大統領が、北朝鮮の核問題を話し合うことを前提
にした上で、先に南北首脳会談を提案する、という案も持ち上がっている。

追加制裁も、北朝鮮を圧迫する方法として浮上しているが、これはもはや限界に来ているという指摘が
ある。既に国連安全保障理事会決議第1718・1874号で、可能な制裁手段はほぼすべて動員されている上、
哨戒艦「天安」沈没事件への対応措置で開城工業団地を除く対北貿易が中断されるなど、韓国政府独自
の制裁もフル稼働しているからだ。

>>2に続きます

朝鮮日報 2010/11/23
http://www.chosunonline.com/news/20101123000043
http://www.chosunonline.com/news/20101123000044

写真
http://file.chosunonline.com//article/2010/11/23/294386299022786830.jpg
2はらぺこφ ★:2010/11/23(火) 19:14:58 ID:???
■金国防長官の「核再配備」発言

国防部の金泰栄(キム・テヨン)長官は22日、国会で、米軍の戦術核兵器を韓半島に再配備する問題を
検討したいと提案した。これは、北朝鮮の核の脅威が深刻化した場合、韓国社会の一部が強く要求する
であろうカードの一つについて、韓国軍の最高首脳が公式に言及したという点で、注目に値する。

国防部はこの日、金長官の発言が問題となったことを受け、「原論的な答弁であって、具体的に検討し
たことはない」と釈明する資料を配布し、一歩後退した。しかし、米軍の戦術核兵器の再配備という
カードは、2000年代初めに北朝鮮の核危機が高まって以来、軍内部で検討されてきた事案だ。韓国軍の
高官は、「実現するかどうかは関係なく、2000年代初めから軍内部では、北朝鮮が核実験など強硬措置を
取った場合の対応カードとして、戦術核兵器の再配備案を検討してきた。これは、北朝鮮に対し、“われ
われも核で立ち向かうことができる”というメッセージを伝える一方、米国に対しても、北朝鮮の核に
強く対処するよう迫るためのカードだった」と語った。

米軍の戦術核兵器の再配備に関する主張は、06年10月9日に北朝鮮が1回目の核実験を行った後、韓国軍の
元老を中心に提起された。同年10月12日、元国防長官をはじめとする軍の元老17人は、「91年に撤去さ
れた米国の戦術核兵器を、再び韓国に配備するよう、米国に強く要請しなければならない」と主張した。
そのため今回も、北朝鮮が高濃縮ウランを用いた核爆弾で3回目の核実験を敢行するなど、核の脅威が
高まった場合、保守陣営などを中心に、戦術核兵器を再配備する要求が高まる可能性が大きい。

しかし専門家らは、実際に韓半島、それも地上に戦術核兵器を再配備する可能性は低いと指摘する。韓
半島非核化宣言はもちろん、オバマ大統領の「核なき世界」政策とも衝突するからだ。米国は、世界戦略
および核政策の変化に伴い、90年代初めから半ばにかけて、海外に配備していた戦術核兵器を米国本土
に引き揚げ、相当数を廃棄処分した。

これにより、戦術核兵器を韓半島に配備するとしても、攻撃型原子力潜水艦やイージス艦に搭載された
トマホーク巡航ミサイルに核弾頭を装備し、韓半島周辺海域に配備するという形になる可能性が高いと
分析されている。B2ステルス爆撃機、B52爆撃機、F15E・F16・FA18戦闘機などで運搬されるB61系の核
爆弾も活用できるが、通常は在韓米軍の基地内には配備せず、有事の際にグアムや沖縄などの基地から
出撃する爆撃機・戦闘機などで運搬し使用することになる見込みだ。

02年に発表された米国の核態勢見直しに関する報告書(NPR)によると、米国が保有する戦術核兵器は
合計1620発で、内訳はB61系の核爆弾が1300発、トマホーク用核弾頭(W80−mod0)が320発となってい
る。91年の時点で在韓米軍には、核爆弾や核砲弾をはじめ、特殊核爆破機材(SADM)、核地雷など合わ
せて151−249発の戦術核兵器が配備されていた。

鄭佑相(チョン・ウサン)記者
ユ・ヨンウォン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版