- 「日仏からの文化財返還は李大統領の実利外交の成果」 -
日本とフランスが略奪し、現在まで保管していた韓国の文化財の返還交渉がこのところ相次ぎ合意に至った
ことをめぐり、外交関係者は、「李明博(イ・ミョンバク)大統領式の実利外交」の結果と評価している。一部では、
「略奪された文化財の不完全な回収」という批判も聞かれるが、「交渉したら成果を出せ」「名分より実利」という
李大統領特有のビジネスマインドにより、交渉が合意に至ったとの見方が強い。
フランスが1866年に略奪した外奎章閣(朝鮮王朝時代、歴代国王に関する文書を保管した奎章閣の付属
図書館)図書は、1993年にミッテラン元大統領が返還を約束して以降、17年にわたり引きずっていた課題だった。
金泳三(キム・ヨンサム)政権以降、すべての政権がフランスとの返還交渉を試みてきたが、「略奪された文化財
を返してもらうのに、何の条件が必要なのか」とする韓国政府の論理と、「国内に存在する文化財は、海外に
搬出することはできない」とするフランス側の論理が対立し、何ら結論を出せずにいた。政府は今年初め、「返還」
ではなく「永久貸与」という新たな条件を持ち出したが、フランスは「永久」ではなく「更新可能な貸与」という代案
を提示してきた。結局、韓国政府は「契約更新を行わなくとも5年ごとに貸与が自動延長される」という条件で
合意した。両国の大統領は合意文書に、「外奎章閣に関する交渉の条件は、ほかの国には適用しない」との
内容も盛り込んだ。
外交筋は、「韓国は実際に返してもらったことで実利を取り、フランスは貸与という形で問題を解決したため
名分を守った、ウィンウィンの(互いにメリットのある)交渉だった」と語った。だが、所有権はなおフランスが保有
しているため、韓国政府は外奎章閣図書への管理番号の付与や、所有権の行使が認められないという制限を
抱える。
一方、今年8月に発表された菅直人首相の談話をきっかけに始まった日本との文化財返還交渉でも、政府は
返還対象を無理に主張せず、早い段階で日本との合意に至った。「返還」(韓国側)と「引き渡し」(日本側)という
言葉の使用についても、双方の立場を尊重した。韓国が返還対象としていた「帝室図書」(奎章閣〈朝鮮王朝の
歴代国王に関する文書を保管した役所〉にあった図書)については、実際には朝鮮王室ではなく日本の宮内庁
の印が押されているのが確認されたほか、経筵(けいえん=歴代国王が受けてきた教養講座)図書についても、
持ち出された時期が日本による植民地時代より前だったことが分かった。
韓国政府の関係者は、「専門家との協議の結果、韓国側の誤解を認め、これらを引き渡し対象から除外した」
と語った。だが、ある歴史学者は、「宮内庁以外に民間が所有する略奪文化財などに関する言及がない上、
「返還」ではなく「引き渡し」という言葉を認めたのは残念」と述べた。
鄭佑相(チョン・ウサン)記者
ソース : 朝鮮日報日本語版 記事入力 : 2010/11/15 10:08:34
http://www.chosunonline.com/news/20101115000029 関連スレ :
【日韓】 日本が強奪して行った「朝鮮王室儀軌」等、文化財千二百五点が韓国に帰ってくる★2[11/08]
http://kamome.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1289255953/ 【仏韓】フランスも韓国に文化財返還へ、朝鮮王朝の王室図書−日本の引き渡しが影響した可能性も[11/12]
http://kamome.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1289567958/ 【中央日報コラム】日本人に「賄賂」として渡った多数の文化財、日本人が搬出したものよりも多いかもしれない[11/08]
http://kamome.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1289212231/ その他