中日間でのごたごたが絶えないこの秋に行われた調査で、非常に興味深い結果が出た。もしかすると、中国人
の日本観は、私達が思うほど「憤青(怒れる若者)」的ではないのかもしれない。
2010年秋 ごたごた続きの中日間
http://images.china.cn/attachement/jpg/site1004/20101112/001ec94a25c50e4724380b.jpg この2カ月、中日両国間には漁船衝突事件及び釣魚島領土問題に端を発した色濃い対立感情が漂っている。
『読売新聞』が10月初めに行った日本国民の対中感情調査では、「中国は信用できない」とした人が84%、漁船
衝突事件に対する中国の反応は「行き過ぎ」と思う人が89%、中国が日本に謝罪や賠償を求めることについて
「受け入れられない」とした人が94%となった。
同一時期に中国で行った調査では、「日本は信用できない」とした人が46.29%、「中日関係に問題が起こった
時、客観的中立的立場で事実そのものに対し議論する」とした人が65.2%、「現在中国人が日本及び日本人を
議論する際、過激な民族主義を持ち込んでいる」とした人が52.08%であった。
これらのデータは、雑誌『小康』が9月27日から10月17日にかけて行ったアンケート「現代の中国の若者の日本
に対する意識調査」からのものである。今回の調査では、中国全土において無作為に行い、最終的に回収できた
有効回答は1296件、それぞれの地区における比率は西部16.59%、中部28.86%、東部54.55%で、回答者の年齢
は15歳から35歳まで、そのうちの80.17%が高校生及び大学生で、79.71%が現在或いは過去に大学またはそれ
以上の教育を受けた人たちだった。
調査の結果は、あまり語られない事実を示した。
(1)歴史を連想 ≠ 反日
日本或いは日本人と聞いた時、何を思い浮かべるか。
67.75%の人が何の迷いもなく「中日歴史問題」を選んだ。では、この、まず歴史問題を思い浮かべるという
ことは一体何を意味するのか。
http://images.china.cn/attachement/jpg/site1004/20101112/001ec94a25c50e4723f00a.jpg 日本で以前から言われ続けている説が、多くの中国人が、日本と日本人からこのように連想する原因は、中国
政府の長きに渡る反日教育にあるというものである。しかし、大部分の回答者がこれを否定した。彼らの感覚
では「学校教育は比較的客観的」であり、家庭での教育やメディア情報から受ける影響の方が相当大きいと言う。
事実、歴史的記憶は昨今の中国の若者にとって、必ずしも反日感情を煽るものではないようだ。今年大学を卒業
する張瑩さんは、「歴史は何かしらの問題を残してしまうものだが、そこに自分たちが過度に関わっていく必要
はないし、急進主義的感情を持ち込むのはもってのほか」だと話す。山東大学の大学院生樊?さんも彼女の日本語
教師の言葉「あの戦争が無ければ、日本人は世界で一番善良な国民だった」という言葉を信じているという。
これと関連性のあるデータがある。それは、「日本や日本人に対しどのような感情を抱いているか」という質問
に対し、「非常に嫌い」「どちらかと言えば嫌い」とした人が47.92%、「特になんとも感じない」とした人が
42.98%、このほか、9.1%の人が「非常に好き」「どちらかと言えば好き」と答えた。
日本企業に勤める周健新さんも「反日教育説」に反対だ。しかし、中国における日本の支援活動に対し中国国内
での報道が消極的過ぎるという。「私たちの北京首都空港や上海浦東空港は日本のODAの援助によって建設された
ものだが、多くの人がそれを知らないだろう。」
チャイナネット 2010/11/12
http://japanese.china.org.cn/jp/txt/2010-11/12/content_21329749.htm