【中国】近頃中国に流行るもの、それは「おれのオヤジは李剛だ!」…人を死なせても許される「官僚の息子」、怒りの矛先は中共へ[11/7]

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1諸君、私はニュースが好きだφφ ★
 ◆死なせても許される

 中国で10月中旬から、インターネット上を中心に、揶揄(やゆ)を込めて流行している言葉がある。「おれのオヤジは
李剛だ!」。河北省保定市にある河北大学の構内で10月16日夜、死亡ひき逃げ事故を起こした若い男が、
逮捕されたときに叫んだひと言だ。

 被疑者の父、李剛氏は大学のある地区を管轄する同市北市区公安分局の副局長。日本でいえば警察副署長
といった感じか。22歳の被疑者は、たとえ飲酒運転のうえ、2人の女子大学生をはねて死傷させたとしても、警察幹部
の父親の名前を出せば、すべて許されるとでも思っていたらしい。一般市民の間では、特権階級として私利私欲を
ほしいままに満たす官僚に対する嫌悪感が根強い。その親の威光を借りて勝手な振る舞いをする「官二代」は、さらに
たちが悪い。

 事件発生後、ネット上では“人肉捜索”と呼ばれる個人情報の調査・暴露が始まった。住所、氏名、生年月日、
電話番号…。被疑者の幼少のころからの成長を追った写真までさらされた。そして、李一家が家を5軒所有し、
その総額は800万元(約9600万円)、との情報も流された。事件をパロディー化した投稿も後を絶たず、こんな歌
まで作られた。

 ♪わが物顔で車を飛ばす 中国の大地が横暴な両親を育てた 身なりは平凡 でもおれのオヤジは局長だ 
片手で天をも遮るほどの力を持ち 神秘的な力を有している おれのオヤジは李剛 高名盛大な李剛 
李は李世民(唐の第2代皇帝)の李 剛は金剛(キングコング)の剛 おれのオヤジは李剛 人をひき殺しても
慌てることはない なぜかって? おれのオヤジが局長だから

 ◆当局おぜん立ての謝罪

 李剛氏は事件発生翌日、女子大学生が息を引き取った病院を訪れ、農村出身の親族に500元(約6千円)を
渡し、深く頭を下げて謝罪したという。翌日も、その翌日も病院に足を運び、さらに5千元(約6万円)を渡し、
「寒くなったからまず衣服を買いなさい」と言ったとされている。
(中略)
 李剛氏は事件発生の5日後、テレビのインタビューに答え、言葉を詰まらせながら、「息子をかばったりは絶対にしない。
法に基づき、厳格に罰を受けさせる」と誓った。勾留(こうりゅう)中の被疑者自身もテレビ出演し、「とても後悔している。
自分が間違っていた。犠牲者に申し訳ない。親族に苦痛を与えてしまった。自責の念にかられている」と述べた。

 それを見たネット利用者たちは、彼らの謝罪を全く信じていない。顔の筋肉の動きなどを分析し、謝罪が“演技”で
あると主張。公安当局がおぜん立てした謝罪との流言も散見する。それだけ、一般市民の官僚に対する不信感は
深いということだ。

 ◆怒りの矛先は政府へ

 今回の事件は、李父子だけの問題にとどまらない可能性がある。大勢の学生の面前で起こった今回の死亡
ひき逃げ事件のうわさは、即座にネットを通じて中国全土に広まった。ほかにも、一般市民が泣き寝入りし、封印された
多くの官の“横暴”が存在するとみるのが適当だ。

 それが今回の事件に触発され、徐々に白日の下にさらされていくようなことがあれば、官僚に対する反発は縮まること
のない貧富の格差への不満などと結びつき、民主化を求める大きなうねりとなり、その矛先は中国政府、そして共産党
へと向かいかねない。
(中略)
 当局はおそらく、被疑者を“人身御供”に差し出す。厳罰を下して、国民に留飲を下げさせるだろうことは容易に想像
がつく。

 それでもなお、犠牲者の父親は「内幕は知らない。しかし、彼が権力を持った人間だということは知っている」と嘆く。
今後の司法の裁きに「官」の力が働くことを憂慮している。ことあるたびに「法律に基づき…」と繰り返す中国当局だが、
国民の「官」に対する信頼はすでに失墜している。

ソース(MSN産経ニュース、中国総局・川越一氏)
http://sankei.jp.msn.com/world/china/101107/chn1011070313000-n1.htm