【社会】韓国と欧州連合(EU)の自由貿易協定が日本に問う課題…日本にできないことが、なぜ韓国にできたのか[10/8]

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1諸君、私はニュースが好きだφφ ★
 韓国と欧州連合(EU)が自由貿易協定(FTA)を締結した。協定が発効すると、人口5億人のEUの巨大市場で、
韓国製品への関税は撤廃されるが、日本製品への関税は残る。日本企業は韓国に比べて、極めて不利な競争条件に
置かれる。

 菅政権は、後れを取ったFTA戦略の立て直しを急ぐべきだ。米欧や韓国をはじめ世界各国は、輸出拡大を経済成長の柱
に据えている。通商政策の道を誤れば、日本経済にとり致命傷になりかねない。

 EUは今のところ、日本とのFTA交渉に乗り気ではない。日本にできないことが、なぜ韓国にできたのか。日本が韓国とEU
の協定から学ぶべき教訓は2つある。

 第一は規制改革だ。例えば韓国は自動車、電機の国内市場で、安全規格や環境基準、認証手続きを緩和する。
これで欧州企業は、自分の国と同じ製品を、煩雑な非関税障壁なしで韓国に輸出できるようになる。

 韓国にも規制改革の利点がある。基準認証でEUと足並みをそろえれば、EUが握る国際標準を利用できるからだ。
東南アジアやアフリカ、中東、南米など、欧州の基準・規格に準拠する新興国・途上国の50億人の市場にさらに輸出
しやすくなる。

 第二は農業改革である。韓国は農産物の市場開放に応じる一方で、農家への所得補償を実施し、貿易自由化に
反対する国内の声に対応した。

 たとえば2003年には、10年間で総額119兆ウォン(約9兆円)を農業支援にあてる総合対策を掲げた。関税で農産物
市場を保護するのではなく、財政で農家を守り、育てる政策を徹底したといえる。

 日本のFTA戦略の足かせとなっている要因は、規制改革と農業改革だ。韓国はこの2つで国内措置を実施してEUとの
交渉を進め、EU側に工業品の関税撤廃を受け入れさせた。見習うべきだろう。

 菅直人首相は所信表明演説で、米国主導で進む「環太平洋戦略的経済パートナーシップ(TPP)」への参加を検討する
と述べた。この多国間の自由貿易の枠組みに日本が加われば、日本と米国がFTAを結ぶのと同等の意味がある。

 アジアで中国が影響力を強める中で、日米が経済のきずなを太くする意義は大きい。11月に横浜で開くアジア太平洋経済
協力会議(APEC)は、日本がTPPに参加する意志を表明する好機となるだろう。

 菅首相のTPPへの意欲を評価したい。だが、参加を決めるなら、菅首相は規制改革と農業改革の道筋も同時に
示さなければならない。

ソース(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE3E7EBEBE3E3E4E2E2EAE3E2E0E2E3E28297EAE2E2E2;n=96948D819A938D96E38D8D8D8D8D