中国の水不足、危機的状況に 近隣国の不満も増大
北京(CNN) 中国で水不足が深刻化し、北京などの各地で危機的な水準に陥っている。
中国北部では今月、耕作地に深さ10メートルにも達する地割れができた。国営新華社通信によると、
内モンゴル自治区の赤峰市ではけがをする恐れがあるとして収穫を見合わせている。
市内に51カ所ある貯水池は62%が枯渇し、25万人以上が飲料水不足に見舞われているという。
南西部の貴州省では8月の干ばつで住民60万人以上と家畜約25万頭に影響が出た。
水田は干上がり、一面にひび割れができた。
北京の水不足は間もなく2億〜3億立方メートルに達する見通し。ほかにも多数の都市が、
水不足や水質の悪化に見舞われている。
中国の取水の影響は近隣諸国にも及んでいる。下流に位置する、
バングラデシュ、ミャンマー、ラオス、カンボジア、インド、タイ、ベトナムの各国は、
中国のダム建設で自国民の水が奪われていると主張する。
特に自給農家など貧困層への影響が大きいという。
しかし、中国が水を奪っているという事実の立証は難しい。こうした諸国には、
中国ほどのペースでダムや貯水池を建設できるだけの資金力も政治力もない。
中国では工場や発電所の増加と個人消費の増大に伴い、水の使用量が激増した。
水道、風呂、洗濯機、庭付き住宅、洗車が必要な自動車などが普及し、購買力の向上で
ゴルフコースや人口降雪機を使ったスキー場も増えた。
こうした状況について世界銀行は、水の供給が追いつかなくなれば貧富の対立、
地方と都市の対立が起きると予想。水利用に劇変が起きない限り、
今後10年で何千万人もの環境難民が発生するだろうと警告した。
▽ ソース CNN.co.jp
http://www.cnn.co.jp/world/30000214.html 依頼を受けて立てました。