五大都市の市長選挙、今日から受付開始 藍緑、過半数の3ポストを狙う
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五大都市(*1)の市長選挙(*2)の立候補受付が13日始まり、正式に選挙戦の火ぶたが切られた。
民主進歩党・中国国民党の両党の五大都市の市長をめぐる争いは激しくなる。
両党の五大都市の立候補予定者は、全員「ちょうど」同じ日の届け出をすることになり、
対決する候補者たちが相まみえることになる。
両党の立候補予定者たちの届け出日は、13日に台南市の頼清徳(民進党)と郭添財(国民党)(*3)、
15日に台北市の蘇貞昌(民進党)と☆竜斌(国民党)(*4)(*5)、
台中市の蘇嘉全(民進党)と胡志強(国民党)(*6)、高雄市の陳菊(民進党)と黄昭順(国民党)(*7)、
16日に新北市の蔡英文(民進党)と朱立倫(国民党)(*8)と、それぞれ同日に届け出を行う。
民進党・国民党の両党とも、五大都市の市長選挙情勢について初期段階での評価を出している。
台北市・新北市の「北二都」はもともと藍軍(*9)にとって鉄板と考えられてきた。
しかし、台北市は☆市政(*4)の「花博問題」(*10)が拡大し、選挙情勢にも密かに変化が起きている。
「花博問題」が台北市、新北市に影響を与えるかどうか、あるいは五大都市全ての情勢に及ぶかどうか、
藍緑(*11)両陣営も情勢を注視している。台北・新北の争いは超重点区であり、藍緑の勝負の
最も重要なカギとなる。
五大都市の選挙情勢について、民進党は「3つ目を攻め、4つ目を奪い、あわよくば5つ目も」と評する。
台南・高雄の南部二都市でリードし、首都台北市では蘇貞昌の出陣により勝機を高め、
最大の人口を有する新北市では激戦が予想されるものの、蔡英文による4つ目を狙うチャンスもある。
国民党は五大都市選挙の選挙情勢について「3つを確保、4つ目を狙う」(*12)と考えていた。
しかし、台北市の現職、☆竜斌(*4)の状況が次第に悪くなり、台北市は既に藍軍にとって
「五大都市の最重点区」になってしまった。南部をひっくり返す望みが断たれてしまい、
国民党は結局、必然的に全力を北二都の死守に戻さざるを得なくなり「政権防衛戦」を行うことになった。
★ ソースは、自由時報 [台湾] とかからはしょり気味に訳。
http://www.libertytimes.com.tw/2010/new/sep/13/today-t1.htm (中国語・繁体字)
★ 訳註。
(*1) 現在の直轄市である台北市・高雄市(ただし現在の高雄県と合併して新しい高雄市になる)と、
新北市(台北県が昇格)、台中市(現在の台中市と台中県が合併)、
台南市(現在の台南市と台南県が合併)の計5つの直轄市のこと。
(*2) 今年11月27日投開票。併せて市議会議員選挙も行われる。立候補受け付けは17日まで。
2009年に行われた直轄市以外の県市長・議会選挙に続く大型地方選挙。
2012年に行われる予定の総統選挙の前哨戦に位置づけられている。
(*3) 頼清徳:現立法委員、民進党立法委員党団幹事長 郭添財:元立法委員
(*4) ☆は、「赤」に「おおざと」。以下同じ。
(*5) 蘇貞昌:元立法委員、元屏東県長、元台北県長、元行政院長 ☆竜斌:現台北市長、元立法委員
(*6) 蘇嘉全:元立法委員、元屏東県長、元内政部長 胡志強:現台中市長、元外交部長
(*7) 陳菊:現高雄市長 黄昭順:現立法委員、元高雄市議会議員
(*8) 蔡英文:現民進党主席、元立法委員、元行政院副院長 朱立倫:現国民党副主席、元行政院副院長
(*9) 中国国民党のイメージカラーが「青」であることから。国民党または国民党系のことを指す。
(*10) 台北で11月に開幕する「臺北國際花卉博覽會(台北国際花の博覧会)」で、
会場で使用される花の購入代金が市場価格の数十倍もしていたというスキャンダルのこと。
(*11) 民主進歩党のイメージカラーが「緑」であることから。民進党または民進党系のことを指す。
(*12) 現有の台北・新北・台中に加え、民進党が持つ台南あるいは高雄を奪おうという考え。