9月7日(ブルームバーグ):財政難に苦しむ北朝鮮の金正日総書記は、外貨獲得の手段となり得る全く縁の
なさそうな協力者を見つけた。米俳優ジェフ・ブリッジスが米映画「ビッグ・リボウスキ」で演じたヒッピー崩れの中年男
「デュード」だ。
北朝鮮から海外顧客向けにソフトウエアを販売する情報技術(IT)合弁会社、ノソテークの幹部2人によれば、
同国の科学技術総連に所属するプログラマーらが、1998年制作の同映画を基に携帯電話向けのボーリング
ゲーム(07年版)や「メン・イン・ブラック:エイリアン・アサルト」を開発した。米メディア企業ニューズ・コープ傘下企業
の広報担当者によれば、同社が両ゲームの公開を手掛けたという。
これは金総書記が力を入れるソフト産業が成長していることを表している。武器取引と関係ない北朝鮮企業
との契約は国連の経済制裁下でも合法とされている。
ソウルの国民大学で北朝鮮を専門に研究するアンドレイ・ランコフ氏は「政権にとっては、こうした事業活動の
育成・支援は外貨獲得が主な理由だ」と指摘。「これらの事業は体制の資金源の1つとなっている。ただ、国民の
変化を誘発する可能性がある海外の情報を同時にもたらす」と語った。
平壌(ピョンヤン)を拠点とするノソテークの創業者の1人、ボルカー・エローサー氏は電子メールで、北朝鮮の
大卒者の技術教育は「著しく改善した」と指摘。北朝鮮では各企業が「数百人、あるいは数千人規模の従業員
を抱え」事業を展開しているという。
ブルームバーグ
更新日時: 2010/09/07 13:18 JST
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920010&sid=agJnP3tNXbDI