平倉洞(ピョンチャンドン)に行けば…春画、韓・中・日‘エロチック三国志’
14日から‘ラスト’展…朝鮮・清・江戸時代性文化照明
http://image.munhwa.com/gen_news/201009/2010090901032330048002_b.jpg ▲左側から申潤福の作品と伝えられる国立中央博物館所蔵品「四時長春」をはじめとして中国の
清国時代の作家未詳の「春宮画帳」と日本明治時代の富岡永洗の多色版画「八雲の契」。
朝鮮時代の風俗画家、申潤福(シン・ユンボク)が描いたと伝えられる「四時長春」は露骨にエロス
を描写せず、男女相悦之詞を絶妙に表現した秀作だ。絵の中の縁側の上に急いで脱いだような
桃色、黒色の男女の履き物が置かれていて、ぎゅっと閉じられている部屋の戸の前に酒のお膳を
持った下女がためらうように立っている。「四時長春」、すなわち「一年中春」という四つの文字が
書かれている柱の左右には男女の象徴のように葉が生い茂った松の木と滝の水が描かれている。
18世紀末と19世紀初めの朝鮮時代では漢陽(ハニャン)で妓房(キバン)を中心に広まった遊興と快
楽的雰囲気を反映するように申潤福、金弘道(キム・ホンド)など風俗画にたけていた画家たちが描
いた写実的描写と諧謔(ユーモア)的表現の春画が盛んだった。
中国では「春の日の夜に宮廷で広がったことを描写した絵」という意味の春宮画秘戯図が伝わっ
てきて、明代後期に入って盛んになった。明代を代表する画家の唐寅(とういん)、仇英(きゅうえい)
の春宮画を後代の画家たちが模写したほどだ。日本では江戸時代の浮世絵版画とともに春画が
大衆的に広がった。
韓国をはじめとして中国・日本など3国の春画を中心に当代の性文化に光を当ててみる「ラスト
(LUST)」展(訳注:LUST=欲望、性欲、肉欲)が来る14日から12月19日までソウル鍾路区(チョンノ
グ)・平倉洞(ピョンチャンドン)の花井(ファジョン)博物館で開かれる。3国の春画と性愛表現を収
めた団扇、遊具など陶磁の生活用品が初披露されて、「セクレトゥム(秘密)」という名前の展示室
では猥褻的なポンペイの遺物などを収録したナポリ国立考古学博物館の所蔵品図録など19世紀
西洋のエロチックアートも公開される。
展示会には朝鮮時代後期の春画集をはじめとして日本の浮世絵作家・葛飾北斎、多色版画の先
駆者・鈴木春信、美人図で有名な富岡永洗など18〜19世紀の江戸時代の作品および中国の清代
に製作された春宮画帳と20世紀の活版印刷作品および性戯関連の工芸品も披露される。写実的
な表現でエロスを赤裸々に表出させた春画展は「19才以上観覧可」だ。
来る10月2日には国内外学者らが参加する春画関連講演会も開かれる。この席で「朝鮮時代の
春画の社会性と芸術性」を主題に発表することになる洪善杓(ホン・ソンピョ)・梨花(イファ)女子大
教授は性風俗と内密な欲望まで表わした朝鮮後記の春画の古典として申潤福と金弘道の画風を
指定する。妓房、色酒家(売春を兼ねた飲み屋)の風俗を主に描いた申潤福や金弘道の春画を
源流として春画が発展したというものだ。洪教授は「ずば抜けた写生力で驚く程正確に人体を描
写した朝鮮の春画は率直な行為と隠密な感情が実感できるように伝えられる」として現実的な躍
動感と風流を朝鮮の春画の特徴として選んだ。
大胆なエロス描写と男性性器の誇張された表現が著しい日本の江戸時代の浮世絵春画に対す
る二人の学者の研究結果も目を引く。日本の学者、早川 聞多(はやかわ・もんた)・国際日本文
化センター教授は浮世絵春画が遊女、富裕層などの性遊戯を扱ったという固定観念に異議を提
起し、江戸時代の一般市民の性風俗を含んでいるところに老若男女があまねく楽しんだと主張
する。時に文を添えて漫談のように失笑を買う浮世絵春画は決して男性専用でなく江戸時代貸本
店の主要顧客だった女性ともなじみ深かったという主張を広げる。
一方、英国の学者タイモン・スクリーチ・ロンドン大教授は「春画が江戸時代の人々が人生の緊
張を和らげて家族と家庭生活に対して感じた不満足と不安を迂回的に表わした」と明らかにした。
シン・セミ記者
ソース:文化日報(韓国語) 記事掲載日時:2010-09-09 11:22
http://www.munhwa.com/news/view.html?no=2010090901032330048002