★中国:簿外融資の計上、融資余力に影響も−ムーディーズ(Update1)
米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、中国銀行業監督管理委員会(銀監会)が
簿外融資をバランスシートに計上するよう銀行に指示を出したことについて、
新規融資を行う余力を小さくし、資産の質の低下を招く可能性があるとの見解を示した。
ムーディーズの6日付のリポートによれば、中国では信託会社が銀行に代わって保有する
企業融資債権や債券、株式などの資産が6月末時点で約3兆元(約37兆円)相当あった。
その約半分が融資債権とみられるという。
銀監会は先月、これらの融資債権を2011年末までにバランスシートに計上し、
損失見込み額の150%に相当する引当金を確保することを銀行に命じた。
中国政府は今年の新規融資の上限を7兆5000億元(約93兆円)に設定している。
新規融資額は7月までで5兆2000億元となっている。
ムーディーズのアナリスト、イボンヌ・チャン氏(北京在勤)はリポートで、
「融資に関連した資産運用商品が急速に伸びている。
これは、融資上限と規制による政府の制限を銀行がくぐり抜けられることを示している。
このような取引は簿外であっても数多くのリスクを銀行にもたらす」と指摘した。
また、融資債権を信託会社から自行のバランスシートに戻せば銀行は資本増強が必要になるとともに、
引当金の積み増しを迫られる可能性もあるとムーディーズは指摘した。
ただ、この「影の信用市場」が銀行システム全体に占める割合は3%にすぎないため、
悪影響が業界全体に及ぶことはないとしている。
原題:China Trust Loans Clampdown to Cut Credit Growth,Moody’s Says (抜粋)
ソース ブルームバーグ 2010/09/06 16:00
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920008&sid=asx8iQpOOloY