【上海=河崎真澄】中国で“官製インターネット検索サイト”の開設が相次いでいる。13日付の中国英字紙
チャイナ・デーリーによると、国営新華社通信が携帯電話通信サービス大手の中国移動(チャイナ・モバイル)
と共同で検索エンジン会社を設立することで合意した。6月には共産党機関紙、人民日報も検索サイトをスタ
ートさせている。
サイト開設について新華社では、「国家の情報安全を確保する上で有益」と説明している。中国は共産党政権
への対抗勢力やポルノなどへの対策として、ユーザーが4億人を超えた国内でのネット情報の検閲を一段と強化
しており、これが米検索大手グーグルの中国本土からの撤退騒動につながった。官製サイト普及で米国勢など
のネット環境への参入余地を減らし、情報統制を加速する狙いがある。
グーグルの中国本土でのシェアは、撤退前の24%から12%に低迷しており、当局主導の相次ぐサイト開設が
間(かん)隙(げき)をつく形になる。
新華社の新たな検索サイトは、従来の自社内のニュース検索以外に幅広い情報検索や動画なども扱い、中国最大
のサイト「百度(バイドゥ)」やグーグルなど民間とは異なる独自技術を採用する見通し。昨年7月に中国で販売する
パソコンへの搭載を義務づけようとしたものの、メーカーなどの反発で見送った検閲ソフト「グリーン・ダム・ユース・
エスコート」の機能を盛り込む可能性もある。
一昨年12月に300人以上の中国の知識人が共産党一党独裁を批判した「08憲章」がネット上で起草されたことも
あり、ネット情報の統制とそれをかいくぐる最新技術との戦いが共産党政権維持のかぎにもなっている。
MSN産経ニュース 2010/08/13
http://sankei.jp.msn.com/world/china/100813/chn1008132102003-n1.htm http://sankei.jp.msn.com/world/china/100813/chn1008132102003-n2.htm