【朝鮮日報・コラム】光化門の歴史も復元すべき気に入らない歴史は消し去るべきと考えた、当時の権力者の意識が反映された経緯[08/01]

1 ：はるさめ前線φ ★：2010/08/01(日) 10:38:19 ID:???

【コラム】光化門の歴史も復元すべき

　朝鮮王朝時代の王宮・景福宮の正門として、まさにソウル都心に位置する光化門は、
過去100年間、韓国の歴史の栄辱により波乱万丈の道を歩んできた。
壬辰倭乱（文禄・慶長の役）で焼け落ちた景福宮を、高宗即位直後の1865年に建て直した際、
今の光化門が建てられた。その光化門は、1926年に日本が景福宮の敷地内に朝鮮総督府を
設置した当時、撤去の危機に直面した。しかし、日本人までもが加勢して撤去に対し
激しい反対の声が上がったため辛うじて生き残り、景福宮の北東に移築されたが、
6・25戦争（朝鮮戦争）で焼失してしまった。現在、多くの人の記憶にある光化門は、
68年に本来の場所である景福宮南側に復元されたものだ。

　一度は消え去ってしまった光化門が再建されたのは幸いなことだが、光化門は本来の姿をかなり喪失した。
門の真の主人である景福宮ではなく、中央庁（旧総督府）の建物に合わせて建てられた影響で、
本来の位置よりも北に 11.2メートル、東に13.5メートル移動し、門の方向も、景福宮の中心軸より
反時計回りに3.75度ずれた。また、本来は木造だったが鉄筋コンクリート造りに変わった。
そのため、90年に景福宮の復元が始まり、95年に旧朝鮮総督府の建物を撤去したとき、
光化門を景福宮全体の構造に合わせ、本来の場所に建て直すべきだという主張が出たのは、
ごく自然なことだった。その結果、06年12月に光化門を元の姿に戻すべく宣布式が行われ、
翌年5月には鉄筋コンクリートの光化門を撤去、木造で建て直す工事が始まった。

　3年余りにわたる復元工事を終え、今年8月15日に公開される光化門の門楼に上ると、
光化門がようやく居場所を取り戻したことを実感する。後方は、勤政殿をはじめとする景福宮の殿閣、
そして光化門と勤政殿の間に復元された興礼門などと一直線になる。
また前方は、日帝の朝鮮神宮があった南山ではなく、本来向いていた冠岳山を望む。
また、光化門の左右の城壁や用成門・協生門、東西の守門将庁など光化門に付属する建物も、
原型どおり復元される。

　光化門が本来の姿を取り戻すのは喜ばしいことだが、それによって、これまで光化門が直面してきた
さまざまな経緯が消えることはない。植民地支配や戦争を経る中で、光化門が味わってきた受難は、
既に歴史として刻まれている。光化門を失くそうとした時代から、保護しようとした時期、焼失・取り壊しを経て、
再び建て直すに至った物語は、韓国が苦難を乗り越え飛躍した成功の歴史を示す断面の一つだ。
ところが、かつて韓国政府が樹立した光化門復元計画には、そうした部分が欠けている。
一部では、鉄筋コンクリートの光化門を別の場所に移して保存しようと主張したが、受け入れられなかった。
気に入らない歴史は消し去るべきと考えた、当時の権力者の意識が反映されたものと見ることができる。

　だがもはや、そんな短見から抜け出さなければならない。新たに建て直された光化門の横に、
光化門が今日に至るまでの過程を示す展示施設を整備するのはどうだろうか。
撤去された鉄筋コンクリートの光化門の部材は、国立古宮博物館の庭に放置され、
朴正煕（パク・チョンヒ）元大統領がハングルで書いた扁額（へんがく）は、
古宮博物館の収蔵庫に保管されている。これらの歴史的な物品を集め、写真資料などを活用すれば、
立派な展示場ができる。建物を追加で建てなくとも、今回復元される付属の建物や周辺の空間を
活用すれば可能なことだ。そうすれば、光化門を訪れる韓国内外の観光客は、
光化門の過去と現在を通じ、かつての韓国をより分かりやすく理解することができるだろう。
いかなる場合であっても、歴史とは消し去り忘れ去るべき対象ではなく、大切に記録し記憶すべき対象なのだ。

李先敏（イ・ソンミン）文化部長
朝鮮日報／朝鮮日報日本語版　記事入力 : 2010/08/01 08:36:57
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