サッカーの母国、イングランドに初の女子サッカーチーム「ブリティッシュ・レディース」が誕生したのは、1894年の
ことだ。しかし、当時の女子サッカーは冷やかしの対象でしかなかった。女子は胸があるため、「丸っこい選手」という
意味を英語の「ラウンド(丸い)」にかけて、「オールラウンドプレーヤー」などとからかった風刺漫画まで登場した。
また、ドイツのナチス政権は1933年、「貞淑なドイツの娘たちがサッカーをすることを全面的に禁止する」と宣言した。
ドイツの分断後も、西ドイツのサッカー協会は1950年代まで、「戦闘的なサッカーは、根本的に女性の本性に
合わない」として女子サッカーを禁止した。
1970年代に入り、女子サッカーは欧州でようやく公式種目として認められた。 東西ドイツが統一された1990年
代になると、ドイツのサッカー専門家らは、 女子サッカーに対して異なる評価をするようになった。「同じ条件で少年
たちと一緒にサッカーを始めた少女たちは、テクニックですぐに少年たちを越えてしまう」という研究結果も出た。その
ドイツは、女子ワールドカップ(W杯)で2003年、07年と2大会連続で優勝した。
ドイツで開催されているU20(20歳以下)女子W杯で、韓国代表はきのう、メキシコを3−1で破りベスト4に進出
した。1983年に男子がワールドユース選手権メキシコ大会、2002年W杯韓日大会でベスト4を成し遂げて以来の
快挙で、女子としては初の「4強神話」の達成だ。韓国で初めて女子代表チームが結成されたのは1990年の
アジア競技大会。それからわずか20年で成し遂げた奇跡だ。
今大会では、6ゴールを挙げた「サッカーの天才」こと池笑然(チ・ソヨン)をはじめ、選手たちは速いパスと優れた
テクニックで相手を圧倒した。これまでの韓国の男子サッカーとは異なる豪快なスタイルを見せており、その姿は実に
感動的だ。サッカー協会に登録された女子選手は、全選手合わせてもわずか 1404人。一方、29日に韓国と
対戦するドイツは、女子の登録選手が100万人に達する。まるで聖書の「ダビデ対ゴリアテの戦い」(少年が巨人に
挑む戦い)のようだが、韓国の実力も侮れないレベルだ。欧州とは比較にならない劣悪な環境でも、韓国女子の
若手が急成長を遂げていることには感服する。
韓国の女子スポーツは、球技種目ですでに好成績を残しており、アーチェリー、ゴルフ、フィギュアスケートも世界の
トップクラスだ。今度はU20女子サッカーが、決勝戦を前に夢破れた男子サッカーを超える成績を挙げるチャンスを
手にした。女子サッカーでも、韓国の根気や才能は十分に通用している。現 U20代表は、02年のW杯韓日大会
を見てボールをけり始めた世代だ。「夢はかなう」の合言葉を胸に、若い女子選手たちがその夢に挑戦する時が
来た。
http://www.chosunonline.com/news/20100727000046 http://file.chosunonline.com//article/2010/07/27/043724834345954773.jpg