【上海=河崎真澄】中国で過熱する不動産バブルへの抑制策として、
上海市当局がマンションなど住宅に対し毎年課税する制度の導入を検討していることが分かった。
中国紙、上海証券報などによると、税率は評価額の0・8%を軸に検討し、月内にも細目を公表する。
導入が決まれば、中国で初めて事実上の個人住宅向け固定資産税が誕生することになる。
共産党政権の中国では土地はすべて国有だが、不動産の使用権が売買され、市場を形成している。
カネ余り現象が続くなかで、個人が転売や賃貸など投資目的で住宅を購入するケースが急増し、
これが不動産バブルの背景になっている。
上海市では1986年の条例で不動産税の徴収を大型店舗など営利目的の物件に限って導入している。
今回の課税強化では、高額マンションなど一定水準を超える住宅の所有権も営利目的と解釈することで、
この条例を適用する見通しだ。
まず複数の住宅をもつ富裕層に照準を当て、
1人当たりの住宅面積を主な判断材料として課税する範囲を決め、
その評価額の0・8%を毎年徴収する方針だ。
上海市で効果が上がれば、類似の課税が北京など他都市に広がる可能性もある。
中国の金融当局は融資審査の厳格化を指示するなど不動産価格の抑制に乗り出しているが、
中国国家統計局がまとめた4月の主要70都市の住宅価格は、前年同月比12・8%上昇で
11カ月連続プラスとなっており、不動産バブルが膨らむ懸念が一段と強まっている。
ソース サンケイビズ 2010.5.17 17:12
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/100517/mcb1005171712017-n1.htm