上海国際博覧会(上海万博)が1日、開幕する。約160年の万博の歴史のなかで、途上国での開催は初めて。
10月末までの会期中、史上最多の7千万人の入場を目指す。国や国際機関で240余りの参加数や会場の面積も過去最大。
4月30日夜には開幕式が開かれ、中国指導部やサルコジ仏大統領ら約20人の外国首脳が出席。
経済成長著しい中国での開催に、近年の万博にはない注目が集まっている。
胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席は30日夜、
上海中心部の黄浦江両岸にある万博会場近くでの歓迎夕食会で「上海万博は中国だけでなく、世界のチャンス」と強調。
開幕式には中国共産党の最高指導部である政治局常務委員9人のうち6人が出席。胡主席は1日からの開幕を宣言した。
少数民族の衣装を着た人々の踊りや著名な歌手の歌が披露され、谷村新司さんも「昴(すばる)」を歌った。
スクリーンに大阪万博の「太陽の塔」や日本の新幹線が映し出される場面もあった。
総事業費は約286億元(約3900億円)で、地下鉄や空港などのインフラ建設や都市整備などを含めると4千億元(5兆5千億円)ともいわれる資金を投入した。
同党・政府は北京五輪に続く上海万博を国家の威信をかけて中国の発展を内外にアピールする機会と位置づけている。
巨大市場、中国最大の経済都市で開かれることから、商機を求めて各国政府や企業が顔をそろえた。
資金難を理由にドイツ・ハノーバー万博(00年)への参加を見送った米国のほか、北朝鮮も初めて出展する。
中国政府の発表によると、246の国と国際機関が参加、万博史上最多となった。
日本からは、政府と民間企業が約130億円を折半して日本館を出展。
民間企業が中心の日本産業館のほか、大阪府・市も独自に参加する。開幕式には仙谷由人・国家戦略相が出席した。
ソース 朝日新聞 2010年4月30日22時45分
http://www.asahi.com/international/update/0430/TKY201004300457.html