金に困った男性らを集めて中国東北部への渡航ツアーを組み、その場で結婚した中国人女性を来日させる偽装結婚グループの存在が、読売新聞の取材で明らかになった。
男性は100万円程度の報酬、女性は就労目的で、大阪府警も偽装結婚あっせんの疑いで捜査している。
一方、日本人配偶者として女性が入国する前には、結婚の経緯に不審点がないか入国管理局がチェックしているが、初対面同士の“即日婚”でもパスしている実態に、審査の甘さも指摘されそうだ。
「こんなデタラメな結婚が認められるのか、半信半疑だった」。2008年2月、ツアーに参加した大阪市の40歳代の男性会社員は、そう振り返り、詳しい手口を証言した。
当時、多額の借金があり、知人から「金になる仕事がある」と紹介されたのが、名古屋市の会社社長だった。
社長は愛知、和歌山両県で飲食店を経営する一方で、偽装結婚を承諾した男性が何人かそろうと、中国東北部へ渡っているという。
滞在は3日間。素性も知らない女性と一緒に現地の役所で結婚証明書を取得。帰国後、“妻”の在留資格を取り、中国に郵送して日本に入国させる―― というのが仕事の内容だった。
男性は遼寧省に渡航。自分を含む参加者4人の滞在費は社長持ちで、ホテルで引き合わされた男性の相手は、30歳代の地味な女性だった。お互い言葉も通じず会話はなかった。
案内役の男に連れられ、役所で婚姻手続きを済ませると、全員で写真スタジオへ。「入管に提出する証拠写真だ」。言われるままタキシードに着替えさせられ、ウエディングドレス姿の相手とカメラに納まった。
帰国すると、中国語のラブレター数通と使用済みテレホンカードが自宅に届けられた。夫婦が連絡を取っていることを装うためのアリバイだった。
申請後は、「早く許可が下りないと、離婚される」と、数日おきに入管に電話した。社長の指示通り演技をしただけだったが、3か月後、女性の「在留資格認定証明書」が発行された。
成功報酬の100万円を手にしたのは、社長から「無事入国できた」と連絡があった後。しかし、女性については「和歌山で働いている」という以外、何も知らされていない。
ツアーを巡っては、府警が関係者から事情を聞くなどして捜査している。読売新聞の取材に対し、社長は、何度も渡航したことは認めたが、「手続きなどは妻がやっており、私はよく分からない」と話した。
■ソース
報酬百万円…中国「即日偽装婚」ツアーの手口
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100323-OYT1T00648.htm ■関連
【社会】偽装結婚容疑…読売新聞販売店員と、中国人偽装結婚ブローカーを逮捕 [09/07/31]
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1249050099/ 他多数