【韓国】横断歩道の安全表示灯、違法な広告物として4月に撤去へ 現代海上火災保険からの寄付で設置[03/04]

このエントリーをはてなブックマークに追加
1はらぺこφ ★
ソウル市「安全性の向上を図る上でむしろ支障」
管理業者「事故防止効果は証明済み」

横断歩道の中央に設置され、夜になると光っていた「横断歩道安全表示灯」が、来月中にソウル市内から姿
を消すことになった。

「道路の安全性向上の妨げとなる違法な広告物だ」として、強制的に撤去しようとしたソウル市および各区
と、「安全を守る公益施設だ」として維持するよう求めた管理業者が訴訟を繰り広げた末、裁判所が調停に
乗り出し、「自主的な撤去」を勧告したのを受けた措置だ。

表示灯を管理するH社は2日、来月中に撤去作業に着手し、すべて撤去する予定だ、と発表した。

「横断歩道安全表示灯」は、ソウル五輪が開催された1988年に登場し、江南・江西・冠岳・麻浦・西大門・
瑞草・松坡の7区に約550基が設置された。

現代海上火災保険からの寄付という形で設置され、すべての表示灯に同社の社名とロゴがあしらわれていた。
月に約5000万ウォン(約390万円)の管理費は同社が支払い、管理業務はH社に委託してきた。この表示灯が
訴訟のターゲットになったのは、2008年12月のことだ。ソウル市が表示灯について、「撤去すべき設備」と
する結論を下し、H社に対し2カ月以内に撤去するよう求め、応じない場合は各区が強制的に撤去する、と発表
したためだ。

H社はこれを「不当な要求」だとして、各区を相手取り、撤去命令の取り消しを求める訴訟をソウル行政裁判所
に起こしたため、計画はいったん中止された。訴訟の当事者はH社と各区だったが、広告主の現代海上火災保険
と、撤去を主導したソウル市による「代理戦争」の側面もあった。

ソウル市は、「本来、交通安全のための施設として警察の承認を得たが、2001年に“屋外広告物等管理法”
が改正され、広告を表示できないことになった。また、道路の安全性の向上を図る上で、むしろ支障となって
いるため、撤去すべきだという結論に至った」と主張した。一方、H社と現代海上火災保険の関係者は、「夜間
の事故防止に関する効果が証明され、市民からも好評を得ている。ソウルより後に表示灯を設置した仁川市、
釜山市、光州市などでは好評を得ているのに、なぜソウルだけ撤去しようとするのか分からない」と反発した。

ソウル行政裁は昨年11月、「業者側が2010年4月までに表示灯を自主的に撤去し、訴訟を取り下げる」という
和解勧告案を示し、両者はこれを受け入れた。行政裁は表示灯について、「設置当時とは違い、現在は危険
を招く恐れがある」との判断を下したが、突然の撤去により、社員たちは職を失う可能性もあるため、猶予
期間を設けるのが望ましい、との見解を示した。

鄭智燮(チョン・ジソプ)記者


朝鮮日報 2010/03/04
http://www.chosunonline.com/news/20100304000050

写真
http://file.chosunonline.com//article/2010/03/04/793762235915139885.jpg