[ニューヨーク/上海 24日 ロイター] 関係筋によると、中国政府は、
同国の機械メーカー、四川騰中重工機械が米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)から
「ハマー」ブランドを買収する計画を却下した。
四川騰中重工機械は、「ハマー」買収期限である2月末が迫る中、
当局の承認を得ようと水面下で説得活動をしていたとされている。
最近数週間、管轄当局の商務省高官らは、四川騰中重工機械から正式な申請を受け取っていない、
と繰り返していた。王超・商務次官補は24日の会見で、商務省にはまだ申請が届いていない、と再表明した。
これについて関係筋は24日、ロイターに対し、政府が買収計画を却下した、
としたうえで、四川騰中重工機械とGMがなお代替策を検討しているとロイターに語った。
23日には、両社に近い別の関係筋がロイターに、四川騰中重工機械が、
中国政府の規制を受けないオフショアの会社を活用して「ハマー」を買収する可能性があると述べていた。
国金証券のアナリスト、LiMengtao氏は「『ハマー』のようなガソリンを大量消費する
自動車ブランド買収の認可を得られなくても驚かない」としたうえで
「オフショア会社を通じて最終的にハマーを取得したとしても、
中国で生産・販売するためには中国当局の承認が必要だ。
なぜこれほど四川騰中重工機械が『ハマー』取得に熱心なのか、分からない」と述べた。
『ハマー』買収計画は昨年、中国企業が国際舞台に踊り出たことを象徴する案件として華々しく発表された。
しかし、外国企業の経営経験もない重機メーカーに
『ハマー』のような業績不振の国際企業を買収させてもいいのか、と疑問を投げかける声が強まり、
中国国内で四川騰中重工機械に対するムードは急速に悪化していった。
また、中国政府が環境問題に対応しグリーンテクノロジーの開発を強調している時に、
中国企業が燃費効率の悪いとされる米国車ブランドを取得することを当局は承認しにくいだろう、
との見方も多い。
計画実現を不安視させる兆候は1月から出始めていた。
四川騰中重工機械は2月1日、中国当局の承認待ちの状況であり、
買収期限を1月31日から2月末に延期することでGMと合意したことを明らかにした。
ソース ロイター通信 2010年 02月 24日 15:11
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-14044520100224