多様化する「たい焼き」
「たい焼きのような企画」「たい焼きのような論文」…。たい焼きは、「そっくり同じ」という意味の言葉
として会話の中でもよく使われる。しかし、近ごろのたい焼きが「そっくり同じ」だと思ったら大間違いだ。
酸味のあるピザソースが入ったものから、サツマイモ、カスタードクリーム、ピリ辛ギョーザの具入りなど、
多種多様なたい焼きが登場している。味だけではなく、姿かたちも変化している。通常の半分ほどのサイズ
の「ミニたい焼き」をはじめ、人々の目と口を楽しませるためにユニークな変身を繰り返している。
■チーズ・チリたい焼き、サツマイモたい焼き
http://file.chosunonline.com//article/2010/02/01/903453604366496762.jpg たい焼きの腹を割ってみると、中は真っ赤。ケチャップとチリソースを混ぜたような味だ。時々、コーンが
プチプチとはじけ、ピザ用チーズの香りが口の中に広がる。ピザをたい焼きの中に入れたような印象を受け
る。ピザとたい焼きの皮の組み合わせは、予想以上の美味しさだ。このチーズ・チリたい焼きは最近、女子
大生の間で人気だという。4年前にたい焼き屋を始めたという店主は、「アズキの人気があまりないため、
アズキ以外の具材を考えた」と話す。メニューには「cheese chilli」と英語で書かれている。店が学生街の
ソウル市西大門区新村洞にあるため、韓国に留学中の外国人客も多いからだとか。サツマイモのペーストが
入ったたい焼きもある。サービスとして、辛いムール貝のスープを紙コップに入れて提供してくれる。甘い
たい焼きを食べた後、この辛いスープを飲むと、口の中の甘さが消え、さっぱりする。また、たい焼きを二つ
くっ付けて焼く「カップルたい焼き」もある。
メニュー・値段:サツマイモ、チーズ・チリ、アズキ、ピーナッツクリーム。1個400ウォン(約30円)、
2個700ウォン(約55円)、3個1000ウォン(約80円)。
営業時間(省略)
■ピリ辛たい焼き、シュークリームたい焼き
http://file.chosunonline.com//article/2010/02/01/335065281253806186.jpg チーズ・チリたい焼きがピザ風だとすると、ピリ辛たい焼きはキムチギョーザ風と言えば分かりやすいだろう。
春雨や各種野菜、粉唐辛子などを和えた具材が入っている。焼き立てが特に美味しく、食事代わりに買って
いく常連客も多い。近くのGSタワーに勤務するレバノン人のバシュールさん(28)は、昼ご飯代わりにこの
店のピリ辛たい焼きをよく買って食べるという。バシュールさんは、「韓国料理にはまだ慣れていないが、
この店のピリ辛たい焼きは美味しい」と話す。同店のもう一つの人気メニュー、シュークリームたい焼きも
お気に入りだというバシュールさんは、「ピリ辛はメインディッシュ、シュークリームはデザート」と言って
笑った。シュークリームたい焼きは、パン屋で売っているシュークリームと似ているが、クリームが熱々で
なめらかだ。サービスで、激辛のおでんスープ付き。
メニュー・値段:ピリ辛、シュークリーム、アズキ。1個300ウォン(約20円)。
場所(省略)
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朝鮮日報 2010/02/01
http://www.chosunonline.com/news/20100201000048 http://www.chosunonline.com/news/20100201000049 ■ミニたい焼き
一口サイズのたい焼きを一つ頬張り、フーフー言いながら食べる。頭から、尻尾から、お腹から、順に食べ
ていく普通のたい焼きとは一味違った味わいだ。柔らかいクッキーを食べているような気分になる。普通の
たい焼きは長さ12センチ、重さ約50グラム程度だが、ミニたい焼きは全長7センチ、約10グラム。重さは、普
通のたい焼きの5分の1しかない。15年間、標準サイズのたい焼きを作ってきた店主は、2カ月前からこのミニ
たい焼きを売り始めたという。普通のたい焼きとミニたい焼きを両方売っていたが、ミニたい焼きが人気を
集めるようになり、今ではミニたい焼きだけを作っている。店主は、「少し前までは大きいサイズのたい焼
きが人気だったが、最近はダイエットなどの影響か、手軽に食べられるものがトレンド」と話す。
メニュー・値段:ミニたい焼き1個200ウォン(約15円)
場所、営業時間(省略)
■ウンチ焼き、イチゴ焼き
http://file.chosunonline.com//article/2010/02/01/230594886415706142.jpg ファッション雑貨ブランド「サムジ」のキャラクター「タルギ」と「トンチミ」をモデルにした、一風変
わったたい焼き。ウンチ焼きは「ウンチ」の形を再現し、イチゴ焼きはイチゴの形をしている。ウンチ焼きは、
「こんなものを食べたがる人がいるのだろうか」と思いがちだが、意外とよく売れるという。店の従業員は、
「イチゴ焼きよりウンチ焼きの方がはるかによく売れる。面白いと言いながら、携帯で写真を撮っていく人
も多い」と話す。最近では、鍾路区仁寺洞を代表するおやつとして定着しつつあるほどの人気だ。ある日本人
観光客は、「日本のたい焼きより皮がモチモチしている」と語った。ウンチ焼きは、昔風の「検便」の袋に
入れてくれる。どちらも厚みがなく、薄いのが特徴だ。皮に牛乳と水を多く使っているせいか、普通のたい
焼きの皮よりも柔らかく、パンケーキに似た味わいだ。
メニュー・値段:4個セット(ウンチ焼きとイチゴ焼きを2個ずつ)で2000ウォン(約150円)
場所、営業時間(省略)
■日本風たい焼き
たい焼きの元祖は日本。1990年初め、東京の「浪花屋」が始まりだという。日本による植民地時代に韓国へ
入ってきたとされているが、はっきり分かっていない。新世界デパート江南店の地下にある「AZABU」では、
日本風のたい焼きを味わうことができる。味も形も韓国のたい焼きとは少し違う。韓国のたい焼きは頭と
尻尾の部分が薄く、胴体が厚いが、日本のたい焼きは頭から尻尾まで厚さが2センチほどで一定している。
尻尾が上を向いているため、まるでピチピチ跳ねているように見える。韓国のたい焼きはモチモチしているが、
日本のものはサクサクした食感だ。しかし、100%日本のたい焼きを再現しているわけではない。AZABUの
代表チャン・ゴンヒさんは、「韓国人の好みに合わせ、牛乳を加え、皮を柔らかくし、甘さを控え目にした」
と話す。アズキが甘すぎず美味しい。値段は1800ウォン(約145円)、2500ウォン(約200円)と少々高め。
アズキ&クルミが当店の1番人気だという。女性にはクリームチーズ、子どもにはカスタードも人気がある。
メニュー・値段:サツマイモ、カスタードクリーム、アズキは1個1800ウォン、アズキ&クルミ、アズキ&
クリームチーズは1個2500ウォン。
場所、営業時間(省略)
キム・ソンユン記者