◆部屋は真夏…室内外の温度差、42度
■韓国の家庭は冬でも暑い。
日本やフランスなど先進諸国の家庭よりエネルギーをたくさん使う。
マンションでは真冬でも半袖と半ズボン姿が多い。
問題はエネルギーの浪費がマンションなどといった家庭だけにとどまらないという
ところにある。デパート、企業、商店街などの室内の温度が適温(18〜20度)を上回る。
ソウルの朝の最低気温が氷点下14.4度まで落ち込み、寒さがピークに達した1月14日午後。
中央日報の取材チームが地下鉄第7号線・江南(カンナム)区庁駅の案内センターに
入ると、ぽかぽかとした空気が天井から下りてきた。
暖房器具を見てみると、設定した温度が28度だった。
「公企業の室内温度を18度以下にするという政府の指針を知っているか」と
職員に尋ねると「具体的な指示を受けていない」という答弁だけだった。
机のそばにはストーブまでつけてあった。
同日は1日の平均気温も氷点下9度と、終日厳しい寒さが続いた。
14日、ソウルの室内はどのくらい暖かかったのだろうか。
取材チームは1日の間、官公署、ショッピングモール、書店、ファストフード店など
ソウル市民がたくさん利用する施設11カ所の室内温度を確認してみた。
平均温度は22.6度で、冬季の適温(20度)を上回った。
江南区三成洞(サムソンドン)にある大規模なショッピングモールの韓国総合展示場(COEX)。
あるファーストフード店の前で温度計のスイッチを入れたら、すぐに26度まで上がった。
外の最低気温より約40度も高い。26度はソウルの7月中旬・下旬の平均気温とほぼ同じ水準だ。
周りを見てみるとコートを脱いで手に持ったまま歩いている人が多かった。
大学生のソ・セジョンさん(21、女)は「寒い外から入ってきたので暖かいと感じたが、
歩いているうちに暑くなった」とした後「温度を少し下げても良いのでは」と話した。
午後3時ごろ、新世界(シンセゲ)百貨店江南店3階にある婦人服の売り場では、
大半の女性顧客がコートを脱ぎ、ブラウス姿でショッピングしていた。
室内の温度は25度だった。
高級食堂街のソウル・ファイナンスセンター(中区大平路)の地下1階で働く社員
チョン某さん(51)は「通常、ユニホームのシャツ1枚だけで勤務しているが、
顧客が集中する昼間は暑くて汗が出るほど」と話した。
午前11時、室内の温度は23度だった。銀行や事務室も事情は同じ。
午後1時ころ汝矣島(ヨウィド)にあるH証券の社員キム某さん(32)は
「事務室が暖かすぎて時々汗を流すこともある」とした。
新韓(シンハン)銀行・江南駅支店も同午後、室内の温度が23度だった。
官公署は良い方だった。政府の強力な「省エネ指針」のためだ。
午前10時ころ、ソウル市庁西小門(ソソムン)別館1階・タサンプラザの温度は
20.3度だった。出入り口の周辺は寒かったが、内側に入ると暖かかった。
事務のため訪問したキム・ジャンファンさん(60、ソウル中和洞)は「寒くも暑くもない適温だ」とした。
鍾路区(チョンノグ)庁サービスカウンターや瑞草区(ソチョグ)庁・OK市民窓口センターも
18度前後だった。
◇「エネルギーの重要性に気付くべき」
家庭医学科の専門医は「暖房で室内外の温度の差が広がりすぎると体に負担を与え、
風邪をひきやすい」と警告する。
特に冬季に室内温度が上がれば空気が乾き、かゆみやアトピー性皮膚炎が悪化しうる。
だから厚着や重ね着などで体を暖め、18〜20度を保つべきだという説明だ。
エネルギー経済研究所・鄭漢景(チョン・ハンギョン)上級研究員は
「相対的に電気代が安いため、国民がエネルギーの重要性をきちんと認識できずにいる」と話している。
中央日報 2010年01月18日 12:21:47
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