チベット自治区主席辞任 中国が「アメとムチ」を強化へ
【北京=矢板明夫】中国のチベット自治区の共産党機関紙「チベット日報」によると、
チベット自治区政府のジアンパ・ピンツオ主席(62)は12日までに、
自治区人民代表大会(議会)に辞表を提出、近く可決される見通しだという。
在任中の一昨年春にチベット騒乱が起き、チベット人として中国当局の高圧政策に全面協力したが、
騒乱を事前に防げなかった批判も受けた。辞任は、中国当局の少数民族政策強化の動きに伴う
人事異動の一環とみられ、今後、新主席のもとで中国当局のチベットに対する
アメとムチの使い分けがより鮮明になりそうだ。
■当局の宣伝塔に
中国にはチベットを含む5つの少数民族自治区があり、そのトップ指導者である
共産党委員会書記は北京から派遣された漢族が就任するのが通例だ。
一方、少数民族による自治を印象づけるため、実質ナンバー2となる自治区政府主席は、
漢族に協力的な少数民族の中から選ばれる。チベット自治区東部出身のジアンパ・ピンツオ氏は
元々「農奴」と呼ばれるチベットの最も低い階級に属していた。「1950年代の解放軍の
チベット進出により運命が変わった」と自ら回顧するように、その後、大学進学の機会にも恵まれ、
卒業後は共産党の幹部となり、ラサ市党委書記などの要職を歴任後、
2003年に自治区主席となった。
08年3月のチベット騒乱の際に内外のメディアによく登場し、
当局の宣伝塔として「中国の現在の少数民族政策の正当性」を強調するとともに、
チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世を「騒乱を起こした張本人」と痛烈に批判したことで
注目された。しかし、騒乱後は「独立派を抑える手腕がない」などと党内からは批判もあり、
一部で責任を問う声もあがった。
■後任は軍出身か
中国共産党中央政治局は昨年末、チベット工作会議を開き、これまでのチベット政策を総括し
今後の方針を固めた。独立分裂運動を厳しく取り締まる姿勢を堅持する一方で、
チベット人の生活改善に向け財政投入、環境保護、鉱物開発の規制などにも強化の方針を固め、
圧力と懐柔政策をそれぞれてこ入れした。
今回の人事はこうした新政策に伴うものとみられる。チベット問題に詳しい香港紙の記者によると、
人民解放軍出身のバイマ・チリン副書記が次期自治区主席に選出される可能性が高いという。
ジアンパ・ピンツオ氏は自治区人民代表大会の主任か別の名誉職に転じるとみられる。
MSN産経ニュース 2010.1.12 21:24
http://sankei.jp.msn.com/world/china/100112/chn1001122125010-n1.htm http://sankei.jp.msn.com/world/china/100112/chn1001122125010-n2.htm ※依頼ありました(依頼スレ123、
>>512)
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