【外交】オバマ大統領演説全文…中国・北朝鮮・ミャンマー・非核化への見解も述べる [09/11/15]

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6星空φ ★
◆北朝鮮

先にも述べたように、世界的な核不拡散体制の強化は、特定の国を名指しすることではない。すべての国が責任を果たすということだ。イラン・イスラム共和国も対象に含まれる。北朝鮮もそうだ。

この数十年間、北朝鮮は核兵器の開発を含む対決と挑発の道をたどってきた。その道がどの方向へ行くのかは明らかなはずだ。我々は北朝鮮政府への制裁を強化した。我々は、北朝鮮の大量破壊兵器開発を制限するため、これまでで最も包括的な国連安保理決議を採択した。
我々は脅威に屈せず、行動を通じ明確なメッセージを送り続ける。言葉だけではない。北朝鮮が国際的な責務を果たさなければ、同国の安全は低下こそすれ、増進することはない。

しかし、取ることの出来る道はもう一つある。我々はパートナーと協力して、直接外交の支援も得て、北朝鮮に異なる将来を提供する準備がある。
北朝鮮は、国民を恐ろしい抑圧の中に置いて孤立するのではなく、国際的な融和という将来を実現することができるだろう。はびこる貧困の代わりに、貿易や投資、観光業で国民により良い生活を提供する経済的機会のある将来も実現できるだろう。
不安定さを増すのではなく、より良い安全保障と尊敬を得られる将来も実現できるだろう。この尊敬は、好戦的な態度によって得られるものではない。国際的な義務を完全に履行し、国際社会に地位を占める国のみが得られるものだ。

北朝鮮にとって、このような将来を実現する道は明らかだ。6か国協議に戻ることだ。NPTへの復帰を含め、既存の合意を実施することだ。完全かつ検証可能な朝鮮半島の非核化を実現することだ。
そして、近隣諸国との関係の全面的正常化は、日本の拉致被害者の情報が、家族たちにすべて明らかにされて初めて、可能になる (拍手)。もし、北朝鮮が国民の生活を向上させ、国際社会に参加したいのであれば、これらが取るべき方法のすべてである。

この挑戦に立ち向かうための用心は怠らない一方、我々は、21世紀の国境を超えた脅威と戦うため、アジアのパートナーたちと共に立つ。罪のない人々を大量殺りくする過激派を根絶し、航路を脅かす海賊行為を止め、伝染病予防を進め、
絶対的貧困を我々の時代で最後にするために取り組み、女性や子ども、移民を搾取する売人たちを取り締まり、現代の奴隷制の苦しみをきっぱりとなくす。我々が一致団結しなければならない究極の分野が、人類すべての基本的な権利と尊厳を守ることだ。

アジア太平洋は、多くの豊穣 (ほうじょう) な文化を持つ地域だ。これはすばらしい伝統と力強い民族の歴史によって示されている。人類の進歩の過程で我々は、この地域における才能と人々の活力を何度となく目の当たりにしてきた。
しかし、これだけは明らかだ。固有の文化と経済成長は、人権の尊重で妨げられることはなく、かえって強化されてきた。人権を支持することが、他の方法では得られない安全保障をもたらす。この筋書きは、日本の民主主義でも、米国の民主主義と同様に見られたものだ。

◆ミャンマー

自由と尊厳の希求は、すべての人の生き方を形作るものだ。人類には、考えを述べたり指導者を選んだりする自由や、情報に接する能力、望むような形で礼拝を行うこと、法の支配への信頼、公正な司法行政など、共有するいくつかの理想があるからだ。
これらは安定を阻害するものではなく、安定の礎である。我々は常に、これら諸権利を求める人々の側に立つ。

例えば、ビルマ (ミャンマー) に対する我々の新しいアプローチを導いているのもこうした真理だ。
ミャンマーに対しては、米国による制裁、他の諸国による関与のいずれも国民の生活向上にはつながらなかった。そこで我々は今、(軍事政権の) 指導部との直接協議に乗り出し、民主改革に向けた具体的な措置がない限りは現在の制裁は継続することを明確に伝えた。
我々は、統一され、平和的で繁栄し、民主的なミャンマーを支援する。ミャンマーがこの方向に進めば、米国との良好な関係は可能だ。

取るべき措置としては、(民主化指導者) アウン・サン・スー・チーさんを含む全政治犯の無条件解放、少数民族との紛争終結、政府と民主化勢力、少数民族が将来構想を共有するための真の対話がある。
ミャンマー政府はこうした道をたどることで、国民のニーズに応え、国に真の安全と繁栄をもたらすことができる (拍手)。

[続きます]