米国防総省で27日に行われたゲーツ米国防長官と中国中央軍事委員会の徐才厚・副主席との会談で、ゲーツ長官が中国の軍事力の透明性の進展を評価する発言をしていたことが28日、分かった。
国防総省筋が明らかにした。米国は中国に対し、誤解の原因になるとして軍事力の透明性の確保を強く求めてきた。これまでの強硬一辺倒の姿勢を転換し、一定の評価を与えることで両国の軍事協力を促進させる狙いがあるものとみられる。
「透明性の進展」が何を指しているかは定かではない。
だが、今年1月の国防白書で、中国が軍の近代化や脱政治の過程を詳述したり、08年予算で20年連続2ケタの伸びとなった国防費について、将兵の待遇改善や物価上昇などを理由に挙げ、増額の必要性を説明したことを念頭に置いている可能性がある。
一方で、国防総省が3月に発表した中国の軍事力に関する年次報告書では、「中国の軍や安全保障に関する不透明性は、安定への危険要因」と明記しており、米国が中国に対し透明性をさらに求めていく姿勢に変化はないものとみられる。
国防総省筋も「米中両国がお互いの意図を理解し、危険な誤解や誤算を防げるようになるにはまだ相当な作業が必要だ」と語っている。
今回の会談では、海上における捜索・救助の共同訓練の実施や疫病対策での軍医の相互訪問など軍事交流を促進することで合意。アフガニスタン復興支援やイラン、北朝鮮の核開発問題でも協力していく方針で一致した。
ゲーツ長官が中国軍の透明性の進展を評価する発言をした背景には、来月予定されるオバマ大統領の訪中を前に、米中関係全般を進展させる意図もあったようだ。
■ソース
<米国防長官>「中国の軍事力に透明性」協力促進狙い評価
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091029-00000008-mai-int ■関連
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