ソウル衿川署は28日、税務署職員が違法なクレジットカード決済による脱税行為を見逃す見返りに
金品を受け取っていた疑いが強まったとして、ソウル市の九老、竜山、鍾路の各税務署を急きょ家宅
捜索した。警察が税務署を家宅捜索するのは異例だ。
税務署職員は、架空のクレジットカード取引を仕立て、現金を用立てる見返りに手数料を受け取る
業者と共謀し、脱税を手助けしていた疑いが持たれている。こうした取引は風俗店営業者が一般
飲食店名義でカード決済を行い、税金を逃れる際に使われることが多い。
衿川署は税務署職員がカード架空取引業者と組み、違法なカード決済に対する監督を怠ったとの
情報に従い、同日午前に捜査員9人を送り、税務署3カ所の付加価値税課を捜索した。警察は同日、
昨年2月以降に担当税務署が摘発したカード偽装加盟店のリスト、クレジットカードの早期警報
システム指針書など段ボール箱3箱分の資料を押収した。容疑が浮上している税務署職員は犯行
当時、鍾路税務署に所属していた2人、竜山、九老の各税務署に所属していた各1人の計4人。
問題の職員は不正なカード売り上げの照会、取り締まりを担当する「クレジットカード早期警報システム」
の担当者だった。
問題の職員は、カード架空取引業者から偽装加盟店を取り締まらないでほしいと依頼され、ソウル市
瑞草区方背洞の風俗店から400万−1400万ウォン(約30万2000−105万8000円)相当の金品や
接待を受けた疑い。
クレジットカード早期警報システムは、各税務署が国税庁に申告されるカード売上高を照会し、
事業所の面積や販売品目に比べ、カードによる売り上げが異常に多い事業所を調査し、偽装加盟店
を見つけ出す制度で、2000年から導入されている。
警察によると、税務署職員に金品提供や接待を行ったのは4人で、同一グループではないという。
4人はソウル市の江南地区などで風俗店を営業する経営者に脱税を目的として、一般飲食店名義の
カード照会機を不正に貸し出した疑いが持たれている。
警察は今年5月末にも架空カード取引業者3人を逮捕、9人を刑事立件して取り調べた際、税務署
職員が早期警報システムと関連し、他の架空カード取引業者から金品を受け取ったとの情報を入手
し、内偵を進めていた。
http://www.chosunonline.com/news/20090929000029