今や日本の文化のシンボルとなった「マンガ」は、世界中の青少年を虜にしている。
ベトナムも例外ではなく、毎週20種類以上の本が新たに市場に出回っているという。
それを支えているのは、子どものころから日本のマンガに親しんできた20代の若者たちだ。
彼らの手から、ベトナム語の翻訳版が次々と生み出されている。
横行する海賊版に対抗するため、日本で発刊されてからわずかの間で翻訳、出版しているという。【吉岡由夏】
2年前に設立されたマンガ出版社TVMコミックスは、ホーチミン市3区の大通りから路地を1本入った場所にある。
民間テレビ会社TVMコーポレーションの子会社だ。4階建てのこじんまりしたオフィスビルの最上階では、
翻訳者やグラフィック担当者が黙黙とコンピューターに向かう。
社長を含めて20人と小規模だが、ほとんどが20代前半の若者という活気ある会社だ。
翻訳者4人は全員、大学の日本語学科を卒業しており、
標準語とは異なる独特の言い回しや、擬態語をすらすらとベトナム語に訳していく。
ベトナムでは日本からマンガの版権を買い取り合法的に出版している会社が3社あり、
その中でもTVMコミックスは2007年設立と最も新しく、そして唯一の民間企業だ。
■登校前にマンガ
ベトナムでは、老舗の国営出版社キムドンが1992年に「ドラえもん」のベトナム語版を出版し、
日本マンガの人気に火を付けたといわれる。TVMコミックスの営業部長のフオン・アイン・グエン氏(25)も、
小学生のころ「ドラえもん」や「ちびまる子ちゃん」に出会い、日本マンガにはまった1人だ。
同氏のように子供のころからマンガに親しんだ世代が、今のブームを支えている。
購読者層は12歳から20歳が中心。ベトナムでは「マンガは子供が読むもの」と考えられ、
書店よりは、街頭の売店で売られることが多い。業者は注文した本を早朝に取りに来て、
朝6時には店に並べる。学校に行く途中の子供たちがマンガを買っていくという。
本の装丁や紙質は日本のものと遜色ないが、1冊の値段は1万5,000〜1万7,000ドン(84〜95米セント)と、
日本の4分の1程度。TVMコミックスに本を買いに来た、ある中学校の男子生徒は、
月平均6冊のマンガを購入しているという。毎月のお小遣いは25万ドンほどで、
このうち3分の1を充てていることになる。
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ソース NNA.ASIA
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