民団が熱い視線を注ぎ、積極的にかかわった第45回衆議院選挙は終わった。民団はシフトを切り替えて、
永住外国人地方参政権付与法案の早期立法化に全力をあげる。
参政権運動の今後の展望について、本紙記者が話し合った。
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民団が関与の反応は
自発的な活動引き出す
−−民団が日本の国政選挙に直接かかわったことへの反応は。
A かなりの団員たちに、韓国籍なのに政治・選挙運動が本当にできるのか、という懸念があった。
地方選挙の投票権もないのに、不特定多数への政治的な働きかけが許されるわけがない、という思い込みだ。
政治資金の提供を除けば、すべてが日本人と同様にできると知って、目を輝かせた団員は多い。
その後の各地の頑張りは、こちらが煽られるほどだった。
B 同胞の若い女性から「民団新聞の総選挙関連の記事には励まされる。だからこそ、
外国人にも選挙運動ができることをもっと強調して欲しい」と電話があった。
「参政権獲得運動を誹謗中傷するネット・ウヨクと毎日闘っている。彼らは外国人排斥のために手段を選ばない。
民団が違法な運動をしていると騒いでいる」とのことだった。
民団とはまた別な所で、いろんな形で運動している同胞がいること、民団の選挙支援が注目、
監視されていることを改めて痛感させられた。
C 経済力のある団員は地域の日本人社会でも、まず間違いなく有力者だ。
地方選挙には個人的にかかわってきた。むしろ、放っておいてくれなかった、というのが事実だろう。
それでも、国政選挙には一線を画してきた。今回の組織的な関与は、
付与法案が上程されてから11年間も動かない膠着した状況に、今度こそ風穴を開けようとやむにやまれぬ思いからだ。
既存の利益関係を断ち切ってまで、付与推進候補に力を注いだ有力者も多い。
A 「民団がいよいよ動いたか」という声は年配同胞から多かった。「自分の年では今さらだが、
孫の代のために何とかして欲しい。最近の民団の動きは頼もしい」とまで言われた。
C 大手本部の団長たちにも、「今回の総選挙は背水の陣だ。負けたら地元にいられない」
「自分の選挙や中央3機関長の選挙より懸命だった」といった緊迫感があった。
有力な反対派議員を破って支援候補が当選を確定すると、感極まった支団長もいた。
B 民団に直接かかわっていない、いわば組織周辺の読者から投稿や電話がいくつかあった。
30代の3世は、「初めて選挙に関心が湧いた。日本人の妻は1回も投票に行ったことはないが、
今回は必ず行く、親にも兄弟にも依頼する、と張り切っている」と驚くほど高揚していた。
C 民団が党派を超えて付与賛同候補を支援することを問題にした日本人もいる。
政治活動の中核をなす選挙運動においては、特定政党への支持を鮮明にすることが正道だと。一般論では確かにそうだ。
だが、民団は国政全般への関与とは一線を画し、参政権一本に絞った落選運動ならぬ当選運動という位置づけだ。
そこにはもちろん、参政権付与が日本の健全な将来に結びつくとの巨視的な信念があることを知って欲しい。
民団新聞 記事の一部抜粋
http://www.mindan.org/shinbun/news_bk_view.php?corner=2&page=1&subpage=3531