経営再建中の日本航空が06年に実施した大規模な公募増資の際、香港の投資ファンドが、新た
に発行される日航株を安く取得するため、意図的に株価を押し下げるなど不正な株取引を繰り返した
疑いがあることがわかった。証券取引等監視委員会は香港の証券規制当局に情報提供するとともに、
香港側の法令に基づいて関係者らを処分するよう求めている。
日航はこの増資で最大2千億円程度を調達する見通しだったが、増資発表後に株価が急落した
影響で約1400億円の調達にとどまった。資金調達が不調に終わった背景に、日本の証券市場を
舞台に国際的な株の不正取引が行われていた可能性が出てきた。
監視委は香港側が刑事処罰に乗り出すことも想定し、双方の司法当局間で直接情報をやりとり
する可能性も踏まえて法務省とも情報共有を進める方針だ。
業績不振が続く日航は06年6月30日、当時の発行済み株式総数の35%にあたる7億株を新た
に発行し、国内と海外で投資家を募集する公募増資計画を発表した。
日航の株価は発表後に急落。発表直前に287円(終値)だった株価は、公募価格が決まった同年
7月19日に220円(同)まで値下がりした。時価をもとに決まる公募価格は1株211円となり、調達
資金は当初見通しの約7割にとどまった。
株価急落の主な原因は、発行株数が大幅に増えると1株当たりの利益が減るという心配や、株主
総会のわずか2日後の増資発表に株主や投資家の批判が高まったためとみられていた。
ところが、証券市場関係者によると、香港ファンドは増資発表後、株を保有せずに売る契約を結ぶ
「空売り」を日本の証券会社を通じて大量に発注。空売りで株価下落を加速させる一方、株を受け
渡す期日には渡さず、公募価格が安くなった新株を取得したあとで渡していた。株の売却時は、
いったん大量の買い注文を出して一時的に株価を維持するなどしていたという。
監視委は、株の受け渡し期日をやり過ごした空売りや買い注文などを組み合わせた一連の取引が、
株価を意図的に操り多額の利益を得ながら他の投資家の判断を誤らせる行為とみて、金融商品
取引法(旧・証券取引法)で禁止されている不正取引にあたると判断している模様だ。しかし海外
ファンドを直接調査・処分する権限がないため、香港当局と情報交換を重ねて香港側に処分を働き
かけている。(富田祥広)
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