【韓国】羅老号:軌道進入に失敗、原因に三つの可能性。ロシア製部の推進力過大説・2段目ロケットの制御失敗説・切り離し失敗説[08/26]

このエントリーをはてなブックマークに追加
1喫茶-狼-φ ★

羅老号:軌道進入に失敗、原因に三つの可能性(上)

 韓国初の宇宙ロケット「羅老(ナロ)号」が科学技術衛星2号を目標軌道に進入させることに失敗した原因をめぐっては、
複数の専門家がさまざまな説明を行っている。ロシアが製作した1段目ロケットの推進力が大きすぎたとの見方や、
国産の2段目ロケットの制御に失敗したとの観測が出ている。科学技術衛星2号はなぜ軌道進入に失敗したのか。

(1)ロシア製下段ロケットの推進力過大説

 羅老号は25日午後5時に打ち上げられ、3分35秒後に衛星保護カバー分離、3分52秒後に1段目ロケット分離、
9分後に2段目ロケットと科学技術衛星2号が切り離され、衛星は地球上空306キロの軌道に進入することになっていた。
羅老宇宙センター発射指揮センター(MDC)は打ち上げ後に、最上部の衛星保護カバーが正常に分離されたと発表した。
また、ロシアが開発した1段目の液体燃料ロケットも正常に点火、停止し、国産の2段目固体燃料ロケットと正常に分離されたとした。

 しかし、異常が発生したのは衛星切り離し直前の発射後8分30秒。当初計画では高度が上空300キロ未満でなければ
ならなかったが、実際には360キロという予想より高い軌道まで上昇していた。

 原因は複数推測できる。第一に1段目ロケットの推進力が大きすぎた可能性だ。ロシアが開発し、韓国に提供された1段目ロケットは、
ロシアが2011年に初打ち上げを予定している「アンガラ・ロケット」の1段目と同じものだ。推進力はアンガラ・ロケットの1段目が
190トン、羅老号の1段目が170トンに設定されている。韓国政府は「羅老号の1段目とアンガラはハードウェアが共通しており、
ソフトウエアで推進力だけを調節する」としていた。このソフトウエアに問題があり、推進力の調節に欠陥が生じた可能性がある。

http://www.chosunonline.com/news/20090826000017

羅老号:軌道進入に失敗、原因に三つの可能性(中)

(2)2段目ロケットの制御失敗説

 第ニに考えられるのは、国産の2段目ロケットで問題が生じた可能性だ。打ち上げ前に航空宇宙研究院の白鴻悦(ペク・ホンヨル)
元院長は「1段目ロケットを心配する人がいるが、宇宙先進国のロシアが開発した最新型であり、問題はないはずだ。
むしろ国産の2段目の姿勢制御に失敗し、衛星を所定軌道に乗せられないのではないか心配だ」と語っていた。

 2段目ロケットの最重要技術は姿勢制御だ。2段目は1段目のエンジンが消えても、3分間は点火せず、いわゆる「慣性飛行」を行う。
この際に2段目がぶれれば、衛星は所定軌道に侵入することが難しくなる。制御失敗で飛行角度に誤りが生じれば、軌道を外れ、
衛星が予想よりも高く打ち上げられる可能性がある。高圧の窒素ガスを噴射し、随時2段目の姿勢を保たなければならない。

 1段目ロケットによって生じた推進力がなくなりかけた時点で2段目ロケットは点火される。この過程では1段目と同様に
エンジンノズルを左右に動かし、方向を調節する。1段目は燃焼ガスでポンプを回し、エンジンの動力を得るが、
2段目は電気モーターの力でノズルを動かす。白元院長は「これは韓国で初めて導入する技術だ」と説明した。
2段目ロケットが姿勢制御に失敗すれば、あらぬところに飛んでいってしまう。

http://www.chosunonline.com/news/20090826000018

羅老号:軌道進入に失敗、原因に三つの可能性(下)

(3)切り離し失敗説

 韓国政府の発表とは異なり、1段目と2段目の切り離しに失敗した可能性もある。二つのロケットは四つの連結ボルトが
同時に爆破することで分離する。専門家は「20マイクロ秒(1マイクロ秒は100万分の1秒)以内にボルトを同時に
爆破しなければならない。それがずれれば予定した軌道を外れることになる」と説明した。
一部では、両側に割れて分離されるべき衛星保護カバーが片側だけ落下した可能性も指摘されている。科学技術衛星2号を担当する
韓国科学技術院(KAIST)人工衛星研究センターの研究員がそのような内容の報告を行ったとされる。カバーが分離されなかったと
すれば、衛星が2段目ロケットと切り離されなかった可能性もある。分離されてもカバーとぶつかるなどして、軌道進入は難しくなる。
2喫茶-狼-φ ★:2009/08/26(水) 09:33:59 ID:??? BE:542376544-BRZ(10281)
>>1の続き


■成功か失敗か、分かれる評価

 羅老号打ち上げをめぐる専門家の評価は二分している。韓国研究財団の李昌鎮(イ・チャンジン)宇宙団長は「科学技術衛星2号は
単独では推進力を持たない。自己推進力を備えた衛星だったならば、こうした状況で正常軌道に進入できたはずで、打ち上げ自体は
成功したと見るべきだ」と語った。航空宇宙研究院も「1段目、2段目のロケットの点火、ロケットの分離などが正常に進んだため、
打ち上げは成功だ」と指摘した。

 しかし、ある大学の航空宇宙学科教授は「ロケットの推進力を適切に調節できず、衛星の軌道進入という任務に失敗したならば、
打ち上げは当然失敗だ」と手厳しい。
 北朝鮮も今年4月、テポドン2号で人工衛星を打ち上げたと主張したが、1段目と2段目の分離失敗か推進力不足などの理由で衛星の
軌道進入には失敗した。当時専門家は「大陸間弾道ミサイルとしての長距離飛行能力は示したが、衛星を正確に軌道に進入させる
宇宙ロケットとは見なせない」と分析した。

羅老宇宙センター(全羅南道高興郡)=李永完(イ・ヨンワン)記者

http://www.chosunonline.com/news/20090826000019