韓国国防部がベトナム戦争参戦時に失踪したアン・ハクス下士(伍長に相当)=当時
23歳=を、韓国戦争(朝鮮戦争)以降初の韓国軍捕虜に認定した。
国防部の国軍捕虜対策委員会は21日、「ベトナム戦争に参戦し、1966年9月9日にサ
イゴン(現ホーチミン)で失踪したアン下士は今年4月、統一部から拉北者(北朝鮮に拉
致された人)として認定されたのに続き、“ベトナム戦争国軍捕虜第1号”として管理する
ことを決定した」と発表した。国防部がベトナム戦争での国軍捕虜を公式に認めたのは
今回が初めて。
これにより、アン下士は離散家族対面の申請対象者リストに掲載され、生還すれば「国
軍捕虜の送還および待遇などに関する法律」による恩恵を受けられるようになった。
しかし、機務司令部(軍事機密収集・管理機関)がこのほどアン下士の家族に公開した
文書には、「76年、北朝鮮のスパイであるキム・ヨンギュの陳述によると、アン下士は75年
末に北朝鮮を脱出しようとして捕まり、銃殺刑で処された」と書かれており、死亡した可能
性が高いという。アン下士が死亡したとすれば、遺体は国立墓地に埋葬される。国防部
は現在、アン下士以外にベトナム戦争で失踪した人が3人おり、そのうち一人は北朝鮮に
渡り、二人は生死不明と推定している。
アン下士はベトナム戦争中に失踪した後、67年3月25日、北朝鮮の放送で「自発越北者
(自ら北朝鮮に渡った人)」と紹介されたため、これまで事実上「スパイ」として扱われてい
た。しかし、アン下士の家族は、「(アン下士は)ベトナムで捕虜になり、中国を経て北朝鮮
に渡った。全身に傷があったという北朝鮮のスパイの陳述がある」として、北朝鮮による拉
致を主張してきた。
韓国政府は昨年9月に遅ればせながら合同調査団をベトナムに派遣、調査作業を行い、
今回このような決定を下した。
http://www.chosunonline.com/news/20090722000030