7月21日(ブルームバーグ):米投資会社コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)は、ビール最大手で
あるベルギーのアインハイザー・ブッシュ・インベブの中・東欧資産の買収計画を取りやめた。銀行からの
資金借り入れが困難なためという。交渉に詳しい関係者3人が明らかにした。KKRは5月にインベブの
韓国部門を買収している。
交渉が非公開であることを理由に同関係者らが匿名を条件に語ったところによれば、同資産に対しては
CVCパートナーズとTPGキャピタルが買収案を今月27日に提出する予定。インベブが売却を目指していた
資産には、ハンガリーやブルガリア、ルーマニアの醸造所などが含まれている。関係者によると、CVCと
TPGも資金調達で苦慮していることから、インベブは要求する26億ドル(約2440億円)を得られない可能性
がある。
調査会社プレキン(ロンドン)のコミュニケーション部門責任者、ティム・フリードマン氏は「現時点で負債
融資を得るのは極めて難しい。投資会社がこのような規模の案件を実施するには数多くの自己資本を
投じざるを得ない」と語った。
プレキンによれば、信用危機で投資会社は企業買収向け融資を確保できなくなり、合計5070億ドルの
手持ち資金での投資に苦慮している。投資会社は通常、買収額の約3分の2を銀行融資から得ていた。
ブルームバーグがまとめたデータによれば、投資会社が今年発表した企業買収は総額約400億ドルと、
前年同期と比較して75%下回っている。
関係者はさらに、CVCが買収提案額の過半数以上を自己資本で調達し、借り入れに必要な額の引き
下げを計画していると付け加えた。これにより、財源を完全に確保した買収案の提示が可能となり、
優位性を得ることができるという。
インベブ(ベルギー、ルーベン)の広報担当者、マリアン・アムソムス氏はコメントを控えた。KKRや
CVC、TPGからのコメントは得られていない。
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=a7wCuggsRfQA