>>297 遥かなるインド市場を攻略するカギ
♠ 顧客の喜ぶ商品を作り、それを顧客に届ける。つまり、顧客に始まり、顧客に終わる。このサイ
クルをトータルビジネスとしていかにデザインし、確立するかが本来のものづくりの課題である。
♠ その意味では、インドで決して特別なことが求められているわけではない。インドでの事業が軌
道に乗っている企業は、当然の取り組みとして販売力を鍛えようとしている。
♠ 例えば、韓国系エレクトロニクスメーカーのLGやサムスンがインドで躍進しているのは、周知の
通りである。韓国企業がインドの顧客を上手に取り込んでいるのに対し、日系企業はその後塵を
拝しているのが実情だ。
♠ 日系企業のインド進出は、韓国企業よりも古い。しかしながら、ある調査によれば、インドにお
ける日系製品のブランド認知度は韓国企業のそれよりも低いという。実際、ある日系メーカーの
現地マネジャーから、自分たちのブランド認知度の低さにとまどっているとの声も聞いた。
♠ 日系企業がどのようにインドを攻めるかを考えている間に、インド市場は急速に拡大してしまっ
た、といった感が強い。結果として、市場が拡大するスピードに事業展開のスピードが追いつい
ていないようですらある。
ブランドイメージの向上に力を注いだ韓国企業
♠ インドでの事業展開に対するサムスン、LGの力の入れ具合は、日系企業とは明らかに異なってい
る。ある企業が、インドに限らずどの国においても小売業を展開しようとすると、現地の流通事
情や外資規制がネックになるケースも多い。そうした中で韓国企業はどのようにして販売力を高
めてきたのか。
♠ まず、目指したのはブランドイメージの向上である。マス広告によってブランドイメージを育て
ることに全力を注いできた。また、家電販売店では、ブラウン管テレビの需要が圧倒的で液晶テ
レビの普及がまだまだ見えない頃から、20型前後の製品を店頭に展示し、先進的な企業イメージ
を作り上げようとした。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/724?page=2