中国政府系ファンドが加資源大手に出資 エネルギー獲得へM&A
【上海=河崎真澄】中国の政府系ファンド(SWF)、中国投資有限責任公司(CIC)が、
エネルギーの調達拡大に向け、海外の資源会社に対するM&A(企業の合併・買収)戦略を
始動させた。
主に金融機関を投資対象としてきたCICだが、資源会社で初めて原料炭で強みを持つ
カナダの鉱山大手、テック・リソーシズに15億ドル(約1440億円)を出資することで合意。
昨年秋の金融危機をきっかけに資金繰りの悪化した資源会社も多く、2000億ドルの
運用資金を持つCICの今後の投資動向が注目を集めている。
CICが自社ホームページで公表した資料によると、CICはテックの発行済み株式の約17%を
今月14日ごろまでに取得する。石炭鉱山などで権益を持ち、原料炭を日本や韓国向けなどに
輸出しているテックはCICの資本参加を受け入れることで、負債圧縮に資金を回す見通しだ。
旺盛な国内需要に対応するため、中国は政府主導で石油や天然ガス、石炭や鉄鉱石など
海外の地下資源獲得を急いでいる。CICによるテック出資もその戦略の一環といえそうだ。
海外の資源会社へのM&Aでは中国海洋石油(CNOOC)が2005年に米石油大手ユノカルの
買収計画を発表したが、安全保障を理由に米議会が買収を認めない決議を行い、
中国側が断念した経緯がある。
ただ、中国は膨大な貿易黒字を背景に3月末で日本の2倍以上の1兆9537億ドルという
世界一の外貨準備高を抱えている。金融危機下でも、「チャイナマネー」は確実に威力を増しており、
エネルギー資源分野で中国が攻めの姿勢に転じる環境が整ったとの見方が強い。
CICは07年の設立以来、ブラックストーンやモルガン・スタンレーなど米金融機関を軸に
資金を投入してきたが、昨年の金融危機による株価下落と業績悪化で、運用益の拡大を図る
必要に迫られていた。
とはいえ、設立から2年に満たないCICの場合、金融危機による運用益の悪化は
アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ投資庁やシンガポール政府投資公社など先行する
他のSWFに比べて軽いといわれる。
CICは中国内の金融機関への投資で巨額の利益を得ており、08年に差し引きで100億ドル近い
運用益を上げたとの指摘する向きもあり、今後も動向から目が離せそうにない。
■中国投資有限責任公司 中国が外貨準備高から2000億ドル(約19兆2000億円)を拠出し、
2007年9月に設立した政府系ファンド(SWF)の運用管理会社。英文略称はCIC。
保有外貨の運用方法を従来の米国債中心から、内外の企業投資にも振り向けるのが目的で、
運用規模は産油国のSWFに匹敵。運用の動向は、世界の金融市場や企業経営に影響を与える
可能性もある。
産経新聞 2009.7.6 21:00
http://sankei.jp.msn.com/world/china/090706/chn0907062101010-n1.htm http://sankei.jp.msn.com/world/china/090706/chn0907062101010-n2.htm ※依頼ありました(依頼スレ116、
>>162)
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