1万7千人の受験生が大学入学の切符を手に 過去6年で最も多い
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香港の3万8千人の高校生(*1)が受検した香港高級程度会考(高考)(*2)の結果発表があり、
受験生のうち1万7千名あまりが、大学入学の最低資格をクリアしたと認められた。
この人数は過去6年間で最も多い。彼らは定員約1万2千人の大学聯合招生(*3)に挑み、
平均倍率は約1.5倍になる。これに漏れる5千名あまりの受験生は、自らの資金で高等教育課程への
進学を果たすこともできるが、一部の学校では授業料を増額するところもあり、学生の進学への
財政負担がさらに重くなっている。
考試及評核局は29日、高考全体の成績を発表した最年少の受験生は14歳、最年長は59歳だった。
今年の高考は中文科、英文科とも合格率は上がっており、
全35科目のうち22科目で昨年より上昇した。
今年、大学進学に必要な最低資格を得た受験生は最近6年間で最も多く、
合計で17,744人が大学への「切符」を手にし、競争は熾烈さを増している。
香港の8つの大学では毎年およそ14,500人の定員があるが、ここ数年あまり枠は増えていない。
さらに、中学6年生の優先取録計画や聯招を経由しない入学希望者の留保分を差し引くと、
聯招受験生の定員はおよそ1万2千人となる。
希望した大学に落ちる人数は増え、さらに経済の不景気も相まって、
より多くの受験生が自己資金で高等教育に進学することが予測されている。
香港理工大学附属の香港専上学院(*4)の梁徳栄院長は、金融危機が就職市場を直撃し、
中学7年生の卒業生は労働市場に身を投じることも難しく、
自費による進学か副学士課程(*5)に進む者の数が増加すると予測している。
★ ソースは、明報 [香港] とかからはしょり気味に訳。
http://news.mingpao.com/20090630/gab1.htm (中国語・繁体字)
★ 訳註。
(*1) 正確には、義務教育である中学校5年間以降にあたる大学予科の2年間も
中学教育ではあるものの(中学6年生と中学7年生)、便宜的に高校生と表記。
(*2) 香港の大学入学資格選考のための統一試験。略称は高考、HKALE(一般的にはA-Level)。
日本の大学受験で言うと、二段階選抜方式の大学におけるセンター試験に比較的近い役割。
(*3) この1ヶ月後に行われる大学聯合招生辧法(聯招・JUPAS)が日本の二次試験にほぼ相当する。
(*4) 日本で言う短大というか、欧米のコミュニティカレッジというか。
(*5) 日本の短期大学士やかつての準学士を取るための高等教育課程。
(*6) HKDだとすれば、約75万円。