●進化する密輸手口
仁川(インチョン)税関は4月、中国製勃起不全治療剤を大量に密輸した容疑で、金某氏(27)を
逮捕した。金容疑者は、中国青島で生産した正六面体の大理石(1.2メートルX1.2メートルX
1.2メートル)2個をコンテナに詰め込んで輸入すると届け出ていた。しかし、コンテナのX線検索機
での検査過程で、大理石の真ん中の陰影が表面とは異なる形で示された。調査官らはコンテナを
開き、大理石を調べた。外形には全く問題がなかった。しかし、大理石の内部に60セントの溝が鋭く
掘られており、それを開けると、勃起不全治療剤20万錠が現れた。
先月13日は、コンピューター用のスピーカーに、いわば「偽物」時計を入れて持ち込み、ネット上で
販売しようとした容疑で李某氏(45)が逮捕された。最近、国内の各コンピューターメーカーが、安価な
中国製部品を大量に輸入しており、検査が厳しくないことに目をつけたのだ。
養蜂に必要な蜂も密輸の対象となっている。税関は先月、仁川港・第1国際旅客ターミナルで、
中国人入国者2人に対して検査を行い、生きたままの蜂の入った2個の蜂箱を摘発した。2人は
繁殖力の強いことで知られている中国産蜂を、養蜂農家に販売するために持ち込もうとしたのでは
ないかと、税関は見ている。
密輸犯らは、一つの品目だけ選んで持ち込もうとするのが一般的だが、さまざまな品を一度で持ち込む
「デパート式」の密輸も現れている。チョン某氏(58)など3人は、中国から家具を輸入するかのように
見せかけ、樟脳人参や蛇、タバコ、偽時計、勃起不全治療剤など50億ウォン分を密輸しようとして
税関に摘発された。
●経済と密輸は似たもの同士
今年1月から4月にかけて、仁川税関の輸入通関実績は114億7400万ドルと、昨年同期(170億
4100万ドル)に比べて45%減となった。密輸品は2766億ウォン分(本物価格基準)が摘発され、
昨年同期(4817億ウォン)の57%水準。普通、港湾では合法を装って、コンテナを通じて低価格品や
中国製偽物が大量に密輸されている。空港は航空料が高く、あまりかさ張らず、相場差益の大きい
金ののべ棒や麻薬、宝石類などが主に密輸される。しかし景気が低迷すれば、密輸の規模もともに
減ってくるというのが税関の説明だ。
好景気の時によく売れる時計や宝石類、外貨や麻薬など、ほとんどの品目が昨年に比べ、密輸規模が
大幅に減った。また、サイズが大きく運送費は高くつくが、相場差益はあまりない農産物も減少した。
しかし、国内景気の低迷を受けて、懐がさびしくなった20、30代のブランド品を好む心理が反映された
ためか、偽の衣類や靴、財布、アクセサリのような雑貨類は大幅に増えた。勃起不全治療剤の密輸額
が400倍程度に増えたことも、目を引く。昨年1月から4月にかけて押収された勃起不全治療剤は
1億ウォンあまりだったが、今年は390億ウォンあまりへと急増した。
http://japan.donga.com/srv/service.php3?biid=2009061274508