この夏、銀盤のスターたちが韓国に集結する。カナダ・トロントでトレーニング中の2009年世界フィギュア
スケート選手権優勝者キム・ヨナ(18)=高麗大=が帰国し、現役復帰を宣言した「帝王」エフゲニー・
プルシェンコ(ロシア)が訪韓する。この二人をはじめ、世界トップクラスの選手20人が2週間の間に現代
カードとIBスポーツが主催する別々のアイスショーに出演するのだ。韓国で同じ月に二つのアイスショーが
開催されるのは初めてだ。キム・ヨナは所属会社IBスポーツ主催のアイスショーに、プルシェンコは現代
カード主催ショーに出演する。
ところが、現代カードが7日、IBスポーツが8日に公演について発表したところ、思わぬ問題が発覚して
しまった。国際的なマネジメント会社IMGに所属する09年世界選手権男子シングル優勝者のエバン・
ライサチェク(米国)、08年世界選手権優勝者のジェフリー・バトル、09年世界選手権女子シングル2位
のジョアニー・ロシェット(以上、カナダ)の3選手が二つのショーに重複出演することになっていたのだ。
現代カード公演を主管するセマ・スポーツ・マーケティングのイ・ソンファン取締役は「IMGと了解覚書
(MOU)を締結した」と話しているが、キム・ヨナが所属するIBスポーツのク・ドンフェ副社長は「うちのほうが
先に選手たちと出演について合意した」と主張、神経戦を繰り広げている。
この「重複出演」の背景にいるのがキム・ヨナだ。現代カードは当初、キム・ヨナの出演を交渉するため、
IBスポーツに「公演を共催しよう」と提案した。キム・ヨナはIBスポーツ所属になる前の06年、現代カード
主催のアイスショーに出演しており、現在も現代カードの親会社である現代自動車がスポンサーになって
いる。この提案は受け入れられるかと思われたが、実現しなかった。
困った現代カードは、一時公演の開催自体をあきらめかけたが、昨年同様、キム・ヨナ抜きのアイス
ショー開催を決定した。今年は「スーパーマッチ」という従来の公演名に「スーパー・クラス・オン・アイス」
(7月31日−8月2日・蚕室学生体育館特設リンク)というサブタイトルを付け、世界的な選手たちが
韓国の有望選手たちに1日レッスンをするというプログラムを企画。フィギュアスケートのすそ野を広げると
いう意味から、7月31日のイベントは一般客が無料で観覧できるようにした。
こうした趣旨にもかかわらず、現代カードは今も当惑の色を隠せない。「外国人選手たちを独占し、
キム・ヨナが出演する公演を妨害している」と一部ファンが非難の声を上げているためだ。現代カードは
誤解を解くため、9日にセマ・スポーツ・マーケティングを通じ「スーパーマッチ出演が決まっている選手が
ほかのショーに参加することについて、排他的な権利は主張しない」というプレスリリースまで出した。
キム・ヨナが出演する「サムスンAnycallハウゼン・アイス・オン・スターズ」は8月14日から16日までの
三日間、ソウルオリンピック公園体操競技場特設リンクで開催される。企画段階から摩擦を起こして
いた二つのアイスショーをめぐり、騒動はまだまだ終わりそうにない。
http://www.chosunonline.com/news/20090610000013