韓国の盧武鉉(ノ・ムヒョン)・前大統領の国民葬が29日朝から営まれ、朝鮮時代の旧王宮
「景福宮」前庭では李明博(イ・ミョンバク)大統領や金大中(キム・デジュン)、金泳三(キム・
ヨンサム)の両元大統領ら約3千人が参席して告別式が実施された。韓国メディアは「建国
以来、最大規模の国民葬」と伝えた。盧氏は、不正資金疑惑で検察当局の調査を受けて
いたさなかに自ら命を絶ったが、国内は前大統領への哀悼ムードに包まれている。
韓国で大統領経験者の国民葬が実施されるのは06年の崔圭夏(チェ・ギュハ)氏以来、
2人目。日本からは、福田康夫前首相らが出席した。
国民葬は29日午前5時、慶尚南道・金海市の盧氏の自宅での出棺式で始まり、遺体は
車でソウルに運ばれた。葬儀委員長は韓昇洙(ハン・スンス)・現首相と、盧政権で首相を
務めた韓明淑(ハン・ミョンスク)氏が共同で務め、それぞれ弔辞を読み上げた。
弔辞では現首相が「農業や環境保護のため、最後まで努力された姿は国民に温かな感動
を抱かせてくれた」、元首相は「あなたが大統領だった時、韓国は国民が大統領だった。軍事
境界線を歩いて越え、韓(朝鮮)半島の平和を一段階高めた」と述べた。
李大統領夫妻が献花しようとした際、出席者が「謝罪しろ、殺人者」と大声を上げる場面
もあった。
告別式への参席は制限されたが、警察推計で約13万人の一般市民らが前大統領に最後
のお別れをしようとソウル市庁前の広場に集まった。盧氏が好きだった黄色のリボンや横断幕が
あちこちに張られた。盧氏の遺体は火葬された後、故郷の金海市烽下村に埋葬される。
http://www.asahi.com/international/update/0529/TKY200905290098.html