>>888 ちょっと長いのですが、よろしくお願いします。3つに分けます。
李朝=インカ帝国説
朝鮮研究の第一人者である筑波大学教授の古田博司氏が毎日新聞から発行される『アジア時報』五月号に掲載されたアジア研究委員会での研究報告の内容をめぐって、
韓国大使館から激しい抗議を受けているという。すでに韓国情報部の人間も接触してきたといい、身辺の危険も感じているらしい。古田氏と親しい人から聞いた話だ。
古田氏は日韓歴史共同委員会の教科書班の日本側の班長でもあり、問題の報告は韓国の歴史教科書60冊の内容を客観的に分析したもので、どこが問題なのか私には理解できない。
教科書記述の分析についてのクレームは表向きで、おそらく韓国側の神経に障ったのは古田氏の李氏に関する発言にあるのではないか。
一般にはあまり目に触れる雑誌ではないので、ここで古田氏の発言を再掲しておこう。
<中世については、この間、朝鮮中世経済史の某氏と話したときに、私が「ちょっと言いにくいんだけど、昔、日本では停滞史観だといって批判されたけど、
どうも僕は、長い間やっていた感触として、李朝はインカ帝国に似ていないか」と聞いたんですよ。そうしたら、彼が「僕もそう思う」と言うんですね。
/つまり、李朝というのは並みの中世ではないのです。例えば車がない。輪っかがないんです。
なぜかというと、曲げ物をつくる技術がない。木を曲げることができないから樽もないわけですよ>
非常に興味深い発言である。李朝は木を曲げる技術がないほど停滞した時代だったという。李朝=インカ帝国説。さらに続けよう。
<甕は重いでしょう。樽だと楽なんですが、それがないんですよ。だから升に入れて、車がないから、チゲといって全部背中に担ぐ。王朝の宮廷に地方でとれた蜂蜜を届けるんですけれども、
そういう時は四角の升です。それを組み合わせて木釘で打ったものに蜂蜜を入れて、背中に担いで山越え谷越えするものですから、着いた時は半分ぐらいないという状況になる。
/もっとすごいのは、李朝には商店がないんですよ。御用商人の商店が一ヶ所に集まっている。でも戸が閉まっている。要するに、宮中の御用をするだけなんですね。一般の民衆はどうかというと、
みんな市場で買い物をします。北朝鮮と同じなんです。開いている商店というと、筆屋とか真鍮の食器屋ぐらいですね。両班(ヤンバン)のうちで使うから筆屋と食器屋はある。
/帽子などは地面に広げて売っています。商店というものが全然ないんですね。これは儒教のせいではありません。初めからずっとないのです。北朝鮮も同じで商店がない。闇市しかないわけです。
刺激的な内容である。では朝鮮の誇る青磁・白磁はどうか。
<李朝には顔料がないです。だから、赤絵の壷がないでしょう。薄ぼけた赤いのがあることはありますが、ほぼ全部真っ白。
赤絵の壷がないというのが大きな特徴です。柳宗悦が「朝鮮の白は悲哀の色」といったのですが、それは本当は貧しさの悲哀のことです。
(中略)顔料がないのです。コバルトをすこし発色できるだけでしょうか。
だから衣も民衆は全部白です。(中略)