中国で去年5月に発生した四川大地震で、学校が倒壊した原因を手抜き工事だと追及しようとした遺族らが不当に身柄を拘束されるなどの人権侵害を受けたとする報告書を、
国際的な人権団体が発表しました。
この報告書は「アムネスティ・インターナショナル」が、四川大地震の遺族に聞き取り調査し、発生から1年になるのを機にまとめたものです。
報告書では、倒壊した学校で子どもを亡くした親たちが、手抜き工事を追及するためデモや中央政府への陳情などを計画したところ、
地元の警察によって不当に身柄を拘束されたとする8件の具体例を記しています。
報告書によりますと、遺族に対する拘束は最長で21日間に及んだということで、警察からは「手抜き工事ではなく地震の揺れが強すぎたからだ」とする説得が行われ、
納得しないと再び身柄を拘束されたということです。また、社会の安定を乱した疑いをかけられた遺族もおり、
「手抜き工事を追及する活動をもう行わないと書面で約束しなければ釈放しない」と脅されたケースもあったということです。
さらにこうした遺族を支援してきた活動家3人が、社会の安定を乱した疑いや違法に政府内の文書を入手した疑いなどで今も警察に身柄を拘束されたままだとしており、
報告書は、活動家3人の釈放とともに、遺族に対する人権侵害を直ちにやめるよう求めています。
(2009年5月4日 1時30分 NHK)
http://www3.nhk.or.jp/news/k10015774121000.html#