【書籍】 「西欧化」は近代日本の専有物か〜日本の無知蒙昧が問題 溝口雄三『中国の衝撃』韓国で出版[04/15]

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1蚯蚓φ ★

(ソウル=聨合ニュース)日本近代化の父と呼ばれる福沢諭吉(1834-1901)は脱亜論(1885)を通じてア
ジアを脱して西欧化に邁進しようと主張した。ここでアジアと言うのは地理的概念ではなく文明概念で、
もう少し具体的に言えば中華文明を示す。すなわち、脱亜論は後進的な中国文明から脱して先進的
な西欧文明に乗り換えようということだ。福沢以来、このように中国文明を無視する現象は日本で約
100年間持続してきた。しかし、最近は状況が変わった。

世界の工場に変身した中国が飛躍的な経済の発展によっていつのまにか日本をあごの下まで追撃
したからだ。しかし、学者や政府関係者など専門家たちを除いた一般的な日本人は相変らず「日本=
先進、中国=後進」という「日本式オリエンタリズム」にはまって現実をまともに見ない。

中国哲学を専攻した溝口雄三東京大学名誉教授はこのような現象を「中国の衝撃」と紹介する。溝口
教授は同名の著書(ソミョン出版発行)で、「西欧化」は明治維新に代表される日本だけの専有物では
ないと強調する。脱亜論が出る10年前にすでに中国でもヨーロッパ式議会制度が紹介されるなど西
欧化作業が本格化したからだ。

さらに16世紀から続いた地方分権化傾向、長子相続ではない均分相続など近代化の芽はむしろ日
本より中国が先に進んでいたと著者は言う。ただ、広大な領土を維持して来た清帝国が崩壊して近代
国家が成立するまで日本より少し時間が必要だっただけ、と付け加える。

問題は中国の追い上げが激しくなる状況で日本式オリエンタリズムにはまって中国の伝統と潜在力
を把握できない日本人たちの無知蒙昧だ。著者は「日本人が好んで話す日本の西欧化は、中国より
ちょっと早かったに過ぎない」と強調し、このような夢から覚めるためには近代化過程を先進対後進の
図式で描いて来た西欧中心主義的歴史観から脱する一方、東アジア知識人たちの連帯運動及び民
間交流を通じて日本人が多様な声を聞かなければならない、と主張する。

250ページ。1万7千ウォン。

ソース:毎日経済(韓国語) ['西欧化'は近代日本の専有物か]'中国の衝撃'出刊
http://news.mk.co.kr/newsRead.php?sc=50500012&cm=%EB%AC%B8%ED%99%94%C2%B7%EB%A0%88%
EC%A0%B8&year=2009&no=227928&selFlag=&relatedcode=&wonNo=&sID=505