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241億円投入の襄陽空港、99日間「乗客ゼロ」(下)
幽霊化した地方空港
アシアナ航空の関係者は、
「務安空港がオープンしたころは、空港にアクセスする道路など周辺のインフラ整備さえもまともに行われていなかった。
そんな空港に飛行機を飛ばすというのだから、非常に心配だった。
しかし政府の方針に従い、金浦−務安路線を1日に1便運航している」
と語る。
2007年11月にこの路線の運航を開始したアシアナ航空は、15カ月連続で毎月平均2億ウォン(約1340万円)近い赤字を計上し続けている。
慶尚北道にある醴泉空港も、2002年12月に386億ウォン(約26億円)の予算が投じられ新空港ターミナルが完成した。
当時は2001年に中央高速道路が開通した直後ということで、空港そのものの需要が急激に落ち込むと予想されていたが、
新ターミナル建設は強行された。
そのため年間の乗客処理能力は当初の30万人から100万人にまで高まったが、実際にこの空港を利用した乗客の数は、
1998年に21万7000人だったのが、2002年には3万1800人と急激に落ち込んだ。結局政府は2004年に空港を閉鎖し、
新ターミナルビルは利用されないまま現在も放置されている。
昨年、仁川国際空港を除く全国14の空港の中で業績が黒字となったのは金浦、金海、済州の3空港だけだった。
2007年にはこれ以外に大邱や光州空港も黒字だったが、昨年両空港も赤字に転落した。
問題が最も深刻なのは襄陽、蔚珍、務安、金堤、醴泉のいわゆる「ビッグファイブ」だ。
この五つの空港を建設するだけで国民の税金8597億ウォン(約578億円)が投入された。
専門家はこうした地方空港の問題について「典型的な予算浪費」と同時に、「国家的な災難」とも指摘する。
高速道路の整備や高速鉄道の開通などで飛行機の需要が減少しているのは事実だが、基本的な需要予測など経済性に立脚することなく、
地方に対する政治的な配慮だけで空港をやたらと建設したということだ。
市民オンブズマンの「共にある市民行動」で予算監視局長を務めるチェ・インウクさんは、
「経済性がないことを知りながら、政治的な配慮だけで建設された空港がいくつもある。
政治家が地元の選挙民から支持を取り付けるためだけに、バラ色の希望があるかのように宣伝しつつ地方空港を建設するという
賭けを行った」
と指摘する。
航空大学航空経営学部で学部長を務める許喜寧(ホ・ヒヨン)教授は、
「政治家や自治体は地方空港を一つの財産でもあるかのように考えて建設を推進してきた。
赤字が出ても空港公社が補てんしてくれるため、自治体では特別な負担をする必要がないという点が盲点だった。
その上、空港公社も責任が明確でない政府系企業のため、赤字が出ても誰も責任を取ろうとしないという問題がある」
と指摘した。
キム・ミンチョル記者
キム・ソンモ記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
http://www.chosunonline.com/article/20090209000045