ワールドカップ(W杯)後半戦が始まったスピードスケートは、有力選手のシーズン全体を見据えた戦略や
各国の事情も透けて見えた。
モスクワの世界スプリント選手権女子で初優勝した王北星(中国)はコロムナ(ロシア)に集まった代表から
離れ、10代のころから拠点にするカナダに戻った。
昨年6月から2年契約で中国代表入りしたオランダ人のファンデルレンデ・コーチは「W杯のタイトルは難しい
ので、(五輪プレ大会の世界距離別選手権など)3月の北米の大会に専念させる」と説明する。王は中国での
W杯にも出場していない。「自由にさせているが、専属コーチとは連絡をとり状態は把握している。問題はない」
(同コーチ)と静観。
同じく世界スプリントを制した男子のシャニー・デービス(米)も自己流。過去2度優勝した2月の世界選手権に
出場せず、地元での調整を優先する。
韓国はチーム自体がコロムナ大会に不参加。W杯上位の選手もいるが、「急激なウォン安で、遠征費が多額
に上る今回は見合わせたのでは」(日本代表関係者)と経済的事情の影響と見る向きもある。
一方で豪華なのはロシア。強化拠点であるコロムナで調整する代表チームに大型バスが与えられた。
昨夏のサッカー・欧州選手権で4強入りしたロシア代表が使った「幸運のバス」で、バスの横にはヒディンク監督
の顔も描かれている。短距離種目初開催のコロムナ大会初日にはビタリー・ムトコ・スポーツ観光青年相も訪れ
るなど、国を挙げての応援だった。
(ロシア・コロムナで、畔川吉永)
ソース:読売新聞(2009年1月26日19時52分)不況の影響?韓国は不参加…スケートW杯、各国の事情透ける
http://www.yomiuri.co.jp/sports/winter/news/20090126-OYT1T00792.htm