お待たせしました。
>>432のホンタクです。例によって(略
国際的な注目を集めるハベイスピリット号事件
http://www.koreatimes.co.kr/upload/news/090121_p16_bebei.jpg 1月16日に清洲の拘置所から保釈され、家族と写真を撮るJasprit Chawla船長(右から2番目)と
Syam Chetan一等航海士(右から3番目)。
彼ら二人は最高裁判所による審理が終わるまで韓国内に留まり続ける
Michael Ha記者による記名記事
泰安重油流出事故の際、高等裁判所に流出防止措置を怠ったとして罪を問われ有罪とされた、
二人のインド人船員が保釈された。
Jasprit Chawla船長とSyam Chetan一等航海士は先週、それぞれ保釈金1万ドルを最高裁判所に
支払い、地方拘置所からの保釈を認められた。
V.Ships(ハベイ号の船主であり、彼ら二人の雇い主)は、彼らの保釈を歓迎し、「この訴訟を解決する
明確な第一歩であり、経営陣と全ての海運組合は、この決定を下したソウルの最高裁と韓国政府に
対して感謝いたします」との声明を出した。
この事件は、特に国際的労働組合と海運団体からの注目を集め、高裁の判決に対する強い反発を
招くことになった。海外の労働組合はこの判決を韓国の司法制度による「冤罪」であり、オイルタンカーと
船員は、クレーン船との衝突による「受動的な被害者」であると主張する。
最高裁判所が、懲役刑に対する上訴審判決を出す6月まで、二人の船員は韓国に留まり続ける。
彼ら二人は、2007年12月に彼らが乗り組むオイルタンカーが暴走するクレーン船に衝突された際、
1万トン以上の重油漏出に対する罪を問われ、去年の12月に有罪判決を宣告された。クレーン船は
荒天下を2隻のタグポートによって曳航中、片方の引き綱が切断、コントロール不能のまま漂流状態に
陥り、その後、満載状態で碇を降ろして停泊中のオイルタンカー「ハベイスピリット」の舷側に激しく衝突した。
重油流出による大規模な環境汚染は、泰安地方の生態系と観光産業に打撃を与え、周辺地域への
漁業生産をも損なうこととなった。
(続きます)
>>447の続き
オイルタンカーの時代遅れの一重船体構造は、クレーン船による打撃の際、漏出被害を
拡大したかもしれない。
ロイド船級協会は海事情報を海運業に提供し、またIMO船舶識別番号の管理、指定を行う
国際的会社である。協会によると、ハベイスピリット号は一重船殻構造であるとされる。
このような構造の船の国際的な使用禁止は、2010年から始まる。最新のタンカーは石油漏出の
危険性の低い二重船殻構造を持つが、調達コストはより高価なものとなる。
昨年12月に、高裁は衝突に対する罪により、3人の韓国船員に8〜18ヶ月の禁固刑判決を
下した。そして、Chawla船長とChetan一等航海士にも職務怠慢と誤判断の罪を犯したとの
判決を下し、一審での無罪判決を覆した。
高等裁判所は、クレーン船を繋ぐワイヤーが破断してから、タンカー衝突までの8分間に、
碇を降ろした状態でも全速力ないし半分の速度で航行すれば、接近するクレーン船との
衝突を避けられたという点で、二人の船員の過失を主張する。
Chawla船長に18ヶ月、Chetan一等航海士に8ヶ月の懲役刑を課したこの判決は、国際運輸労連
(ITF)をはじめとした148ヶ国の海事及び輸送労働者480万人を代表する654の組合から非難を受けた。
ITFによると、「韓国でハベイスピリット船員の釈放のために運動した海運業団体は、この保釈を
好意的に受け止めている」と伝える。
同グループのスポークスマンは、二人の釈放に対して、「我々はこの裁定に大いに感謝し、
正しい方向への第一歩と考えます。『Free the Hebei Two』キャンペーンを推進するITFと
協力団体は、この保釈を訴訟解決のための明確なステップとして評価する。我々は彼ら
二人が無実を証明し、自由の身となって家族とともに帰る日まで、援助し続けるであろう」と、
コリアタイムズに語った。
重油流出は、被災地域で生活し働いている、幾千人もの人々に悪影響を及ぼす深刻な問題であると、
スポークスマンは語る。「彼らは助けと補償を必要としている。我々には、災害にあった彼らの心情を、
慮ることぐらいしか出来ない」
しかし「碇泊中に船をぶつけられて、なおも全力を挙げて自らの仕事を為した二人の男を有罪にす
ることは、被災者達を助け、また、事故の再発防止策を講じることにはならない」と彼は主張する。
衝突を避けることが出来たとして地方裁での無罪判決を覆した、高等裁判所の判決についても、
同スポークスマンは語る「世界中の船員達や、海事専門家の誰でもいいから、この事について尋ねて
ごらんなさい。誰もが避ける時間など無かったと答えることでしょう」
船員の一人は「碇泊中に船をぶつけられた彼らが起訴されたのは、理解に苦しみます。彼らは状況が
悪化しないよう、プロであれば誰もが行うべきことを為しただけであるのに」とも語る。
泰安での事故は、1995年の麗水地域(ソウルから455キロメートル南)での重油5000トン流出事故を凌ぐ、
我が国史上最大の油濁汚染事故であった。報道によると、全人口の4%にあたる220万人が、泰安
クリーンアップに参加したとされる。
これまでに5億ドル以上が重油流出処理に使われたと見積もられている。昨年、保健福祉家族省は、
環境回復と住民への補償に、さらに3兆ウォン(21億5700万ドル)が必要とされるとの見積もりを発表した。
ハベイスピリットの重油流出は、史上最大級の流出事故である1989年のアラスカ沿岸での
エクソン・バルディーズ号事件の1/3の規模であったとされる。