http://img.hani.co.kr/imgdb/resize/2008/1231/123062209182_20081231.JPG 2003年8月には確かにあった。記者は始まったばかりの日本の韓流現象を取材するために東京を訪
れた。若者の通り、渋谷の「ツタヤレコード」にはBoAのポスターがかかっていた。ピット内外ではBoA
の<VALENTI>がずっと響いていた。東京最大書店である紀伊国屋の新宿本店では「韓国映画が熱
い」という特集コーナーを作っていた。紀伊国屋のDVDピットには発売されたばかりの<太極旗飜って
>
(日本名:ブラザーフッド)DVD特集コーナーがあった。(中略)
5年ぶりにまた訪れた場所で韓流はすっかり影をひそめていた。(中略)理由はなにか。現地で会った
日本人と韓国人はみんな「悪徳商法」の話をした。日本人観光客ガイド生活8年目のイ・ジェウン(37)
さんは「企画会社と旅行会社が一部韓流スターたちのそらぞらしいストーリーのファン合コンを1万5
千〜2万円(22万〜30万ウォン)ずつもらってずっと販売している。不実な内容にあきれた人々の心が
去るのは当然だ」と言った。
熱血韓流ファンだったカエコの話。「ファン合コンだと行って見ればイベントで歌何曲かとダンスを見せ
てくれて、これまで日本と韓国での活動を動画で見せてくれる。そして必ず自分のお母さんの話をしな
がら涙を浮かべる。その時、ファン合コンに参加した40〜50代女性たちはみんないっしょに泣くものと
決まっている。そして当たった何人かのファンが前に出て抱擁するとか写真を撮る。これで終わりだ。
ぴったり1時間30分ほどだ。こんな内容が毎年まったく同じように繰り返されるから1万5千円も出し
て参加する理由が感じられない。」
円高で韓国旅行は増え、日本国内ではぺ・ヨンジュンやチョ・インソン、ピなど韓流スターの行事を高
価のツアーパッケージにして販売する場合が増えている。問題は韓流スターの用意した行事が、実は
無料行事で、旅行会社はこの行事の切符も求めないで販売することだ。12月23日にかれた歌手ピの
コンサートが代表的だ。この日の会場前では日本人観光客150人以上が主催者に抗議する騷動が
起きた。理由はこのコンサートツアー商品を企画した韓国旅行社がチケットもない状態で商品を販売
し、参加した日本人がコンサートを見られなかったからだ。このツアーの価格は14万円、現在の為替
で計算すれば200万ウォンを超える高額のツアーだ。2泊3日のプログラムにはこのコンサート参加
以外には別の日程はなかったと言う。
東京で韓流の橋頭堡の役割をして来たエーシェンシー会社「ニッカンブレイン」のホ・ハンジョ社長は
「こちらの‘韓国風’は今、岐路に立っている」と言う。「韓国スターは日本で人気がでると一度さっと来
てインタビューしてそれで終りだと思う。それでは長続きしない。」
それでも韓流はある。12月16日夜10時〈NHK〉ではドラマ<春香伝>が放映されていた。〈テレビ朝日〉
は浅田真央と宿命の対決をしたキム・ヨナの話を取り上げた。記者が偶然立ち寄った田町駅でも難な
く韓国食堂にあえた。韓国食堂は韓国人がたくさん住む場所から、すでに東京全域に広がったという
のが現地で会った韓国人の話だった。文化コンテンツエーシェンシーであるブレインズ・ネットワーク
のアン・ソンミン社長は「歌やドラマなど大衆文化の側面だけ見れば韓流は確かにマニア市場で萎縮
したが、食べ物やファッションなど生活の中では韓流がもっと深くて豊かになっている」と指摘した。
理由はなにか。すなわち韓国旅行だ。実は2002〜2003年に始まった韓流熱風の根源も韓国旅行だ
った。(中略)日本では今、ウォン安にあわせて韓国旅行願望が吹いている。東京の旅行会社に立ち
寄る度に最低2万5千円から始める韓国旅行パッケージを容易に見つけられる。最近の流れは、韓
国を訪れなかった50〜70代の壮年男性が韓国旅行に興味を持っていると現地旅行関係者らは言う。
アン・ソンミン社長の話。「日本の文化構造を理解すれば韓流を長続きさせる方法が分かる。日本の
放送は10代と20代だけのための放送、特にドラマは30代以上の成人の見るドラマがない。彼らが
韓国ドラマに沸き返えるのはこんな理由のためだ。日本を正しく理解したら、日本で第2の荒々しい韓
流の風が吹くことは時間の問題だろう」
李テヒ記者
ソース:ハンギョレ新聞(韓国語) 5年ぶりに行った東京、韓流はどこに、を抄訳
http://h21.hani.co.kr/arti/culture/culture_general/24077.html