記事入力 : 2008/11/27 11:43:08
大統領より与党の支持率が高いという怪
歴代政権や外国でも見られない現象
李明博(イ・ミョンバク)大統領の国政支持率が与党ハンナラ党の政党支持率に比べ
10ポイント程度低いという「特異な現象」が、今年5月のキャンドル集会以降7カ月続いて
いる。専門家の間では「過去の歴代政権だけでなく、外国でもなかなか見られない現象」
という声が出ている。
毎週定期的に世論調査結果を発表している韓国社会世論研究所は26日、全国の1000人を
対象に実施した電話調査の結果を発表した。その結果でも、李明博大統領の支持率は23.
7%で、ハンナラ党の支持率32.3%に比べ8.6ポイント低かった。今年3月の就任直後、李
大統領とハンナラ党の支持率は50%でほぼ同じだったが、米国産牛肉の輸入に反対するキ
ャンドル集会が始まった5月以降、双方とも下落した。しかし大統領支持率の下落幅は相
対的に大きく、現在まで逆転の機会を捉えきれていない。李大統領の支持率は20%台半ば
で横ばいを続けており、ハンナラ党は35%前後を維持している。
韓国ギャラップのホ・ジンジェ部長は、「1980年代から実施してきた大統領と政党の支
持率調査で、これに似た現象が起こった例は、アジア通貨危機で支持率が急落した金泳三
(キム・ヨンサム)元大統領の任期末を除けばほとんどなかった」と語った。大統領の支
持率は大統領一人について「良いか、良くないか」を評価するが、政党支持率は「諸政党
の中でどの政党を最も支持するか」という他政党との相対評価であるため、特定政党が大
統領の支持率より高くなることは難しいという。
李大統領の支持率がハンナラ党に比べ低いということは、「ハンナラ党は支持しつつも
大統領は支持しない」有権者集団が存在する、ということを意味する。李大統領がまだ大
統領候補だった昨年12月、李候補が40%台半ばの支持率をコンスタントに維持し安定的に
トップを走っていた当時、ハンナラ党支持者の80%程度は大統領候補の中で李候補を支持
していた。しかし今回の韓国社会世論研究所の調査では、ハンナラ党支持者のうち、李大
統領が「国政を良く遂行している」として支持を表明した人の比率は48%にとどまった。
大統領の支持率が与党支持率に及ばない第一の要因には、多くの専門家が「朴槿恵(パ
ク・クンヘ)変数」を挙げる。キム・ヒョンジュン明知大教授は、「ハンナラ党の支持率
には、朴槿恵元代表が寄与している部分が大きい」と指摘、「与党支持者の内部は、“親
李”派と“親朴”派に分かれている。大統領の支持率は“親李”派の支持率だけでしかな
い反面、ハンナラ党の支持率は“親李”と“親朴”が合わさっている」と語った。
野党に対する失望感も原因だと指摘されている。李大統領に対する支持は撤回したが、
支持を移す代替政党がない、というわけだ。韓国社会世論研究所のユン・ヒウン研究員は、
「韓国国民は民主党を巨大与党に対抗する代案勢力と考えていない。民主党の支持が振る
わない姿が、ハンナラ党の支持率を大きく動かさない要因として作用している」と語った。
また、世論調査機関マトリックスの趙一相(チョ・イルサン)社長は、「政党に対する
支持は理念や感情などによるものだが、大統領に対する支持は業績による評価だ。経済危
機などに対する不満が、ハンナラ党ではなく李大統領に集中している」と語った。
ホン・ヨンリム記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
http://www.chosunonline.com/article/20081127000029